子育てと仕事の両立で忙しい女性のためのエレガントなワンピースブランド「アユワ」を作るアユワ(東京、渡部雪絵代表)は、百貨店初の期間限定店を伊勢丹新宿本店で23日まで開いている。販売には育児休業中や育児をしながら働く女性が協力。渡部代表も含めて7人の働くママが店頭に立った。
銀行に勤務する松尾せりなさんは、2人目の子供の育児休業中。アルバイトでカジュアルファッションの販売経験があり接客も慣れた様子。「家で洗濯でき、アイロンがけの必要もない。何よりも、1枚でコーディネートが完成するので時短になる」と特徴を伝えている。
「1枚で決まるワンピースは忙しい女性に便利」と話す松尾さん
「アユワには授乳中の女性に便利なワンピースもある。実感があるからこそ、その良さを伝えられる」と母としての経験が同じ立場の女性の接客に生きると話す。
IT(情報技術)ベンチャー勤務で育児休業中の佐々木恵さんは、「販売は初めての経験。最初は距離感をどう取るか難しかったけれど、営業をしているので人と話すことは楽しい。しかも育児休業中なので、背筋を伸ばして人前に立つのは新鮮。働く楽しさを改めて感じた」と、今回の販売の手伝いが、復職後の働くイメージをつかむことにも役立っているようだ。
「仕事をするときに背筋を伸ばす経験が新鮮」と話す育児休業中の佐々木さん
週末には出産やキャリアチェンジを経験したPRプロデューサーの笹木郁乃さん、フォーブスジャパン副編集長兼ウェブ編集長の谷本有香さんが、渡部代表と「自分らしく生きるキャリアチェンジ」をテーマにトークショーを行った。
三越伊勢丹の上戸誠新宿婦人・子供商品部バイヤーは「働く女性のファッションといっても企業で働く人、起業する人など働き方や働くシーンは様々。求められるファッションも多様化し、悩んでいる女性も多い。今後も多様化する働く女性ニーズに対応する新しい打ち出しをしていきたい」と話す。
アユワは金融機関勤務などを経た渡部代表が16年5月に立ち上げた。ワンピースを主力に、羽織り物やアクセサリーを販売する。生産は全て日本。売り上げの一部を子供の未来のための支援活動に寄付している。
家事や育児、キャリアチェンジについて自分たちの経験を語るトークイベント
(中央が笹木さん、左が渡部代表)