アマゾンFW東京19春夏 カラフルカスタマイズスタイル

2018/10/18 06:30 更新


 アマゾン・ファッション・ウィーク東京19年春夏は、百貨店プレタ市場を担う大人の女性を意識したブランドのコレクションが相次いだ。アマゾン・ファッションが主催する「アットトーキョー」では、ニューヨーク・コレクションで作品を発表してきたNハリウッドが登場し、多くの観客を集めた。

(小笠原拓郎、須田渉美、杉江潤平)

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 Nハリウッド(尾花大輔)が、久しぶりに東京でコレクションを見せた。四つの空間をモデルたちが回って見せるという演出。そこに登場したのは、尾花らしい古着を背景にしたレイヤードスタイルだ。ロックTシャツ、ワッペンアップリケのMA-1やライダーズジャケット、チェックシャツとネルチェックベストのレイヤード。さまざまな要素を重ねながら、DIY(手作業のカスタマイズ)によってオリジナルのバランスを作り出す。

 スポーツやミリタリーに変化をつけるのはシノワズリーを思わせる柄にタイダイ柄。チョコレート菓子の「M&M」の可愛いプリントブルゾンにサイケデリックなプリントをレイヤード。「アンブロ」のジャージーをカスタムしてチュニックに仕立てる。大きなシュラフやダウンベストの量感とカラフルなリュックがキャンパーのイメージを持ち込む。やはり、古着イメージやカスタマイズをやらせると抜群のセンス。

Nハリウッド

 ネグレクトアダルトペイシェンツ(渡辺淳之介)はパンクの象徴的なアイテムを軸にした。スタッズのサンダルにタータンチェックのボンデージパンツのセットアップ、バンダナのハンカチーフヘムスカートといったアイテムがメイン。

 しかし、思わず吹き出してしまったのは、ジャージーのセットアップの女子が、カップ焼きそばを食べながら登場したこと。見方によっては、これが一番パンクなイメージとも言える。車椅子の入院患者や点滴をしながら歩く病人で病的なイメージをプラス。Tシャツにはオーラルプレーやお医者さんごっこの文字や柄がのせられた。

ネグレクトアダルトペイシェンツ

 今回から「手のひらの旅」という新コンセプトをスタートさせたまとふ(堀畑裕之、関口真希子)。日本や世界の手仕事をクリエイションに生かし、その土地に根付く文化や人の営みを伝えるインスタレーションとともに見せた。

 津軽地方の「こぎん刺し」に着目、会場には20体のスタイリングを並べ、野良着に派生するプリミティブな柄を現代的なテキスタイルに応用した。透き通るシルクの紗を使ったロング丈の羽織りウェアの肩やサイドの部分には、細いシルク糸でグラデーションの柄を施す。

 こぎん刺しの菱(ひし)形をもとにしたカットジャカートで後身頃をドレープさせたジャケットは、清涼感や軽やかな印象。ニットへのアレンジも見どころの一つ。サマーニットのワンピースには、菱形の縦柄を拡大したモチーフがシャギー糸で描かれた。

まとふ

 ミツル・オカザキ(岡崎満)は、ハンドクラフトの装飾を取り入れて軽やかで立体変化に富んだコレクションを見せた。白地のコットンに「NEO」の文字を大胆にプリントしたノースリーブトップに、生地をつまんでスクエアの凹凸を出したロングスカートを合わせる。シンプルなモノトーンのセットアップは、縦にカットラインの入ったパフスリーブ、同様にパンツの膝下をカットして膨らみを持たせ、品良くレディーライクに見せた。カットワークもふんだんに取り入れ、共布のリーフモチーフをあしらったトップに、同様のモチーフを重ねたデニムスカートなどを揃えた。

ミツル・オカザキ

 釣り具などを製造・販売するグローブライドのファッションブランド「ディーベック」は、波状のプリーツ加工を施したスカートや、曲線的なカッティングを採用したTシャツで、シーズンコンセプトの波紋を表現した。通常、釣り糸として使うモノフィラメントを、透湿防水生地の裏地に改良。髪の毛より細く、丈夫な糸の特性を生かし、軽くてもタフなファブリックのレインコートを作った。

 ショー会場は赤坂アークヒルズの滝のある広場。「雨を感じ、風を楽しむ」というブランドテーマに合わせ、モデルが流れ落ちる水の間近を歩いて高い防水性と動きやすさをアピールした。

ディーベック

(写真=加茂ヒロユキ、大原広和)

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