アダストリアHD主力業態の基盤作り

2015/03/30 14:35 更新


 アダストリアホールディングスの主力業態「グローバルワーク」は、グローバルSPA(製造小売業)型ブランドに向けた基盤作りを進めている。20周年に合わせて14年にリブランディングしたほか、計画生産などものづくりの仕組みを強化し、既存店売上高2ケタ増など着実に成果を出している。

 商品はテイストを刷新した。従来はメンズはアメカジ、レディスはナチュラル、キッズは可愛く、とテイストがバラバラだった。先行する他のグローバルブランドに対し、グローバルワークが目指す立ち位置を確認。

 それに基づき、「特定のテイストに偏ることなく、着る人の性別、年代、人種も問わない」、クリーン、スタンダードで、安心感のあるイメージにした。著名俳優を起用したテレビCMも初めて放映し、世界へ挑戦していくブランドであることを印象付けた。

 SPA化の要となる、ものづくりの強化と社内組織の整備にも取り組んでいる。シーズンの約11カ月前にディレクションを始める計画生産を推進。ディレクター、デザイナー、マーチャンダイザーが連携しやすいよう、会議体も含めて見直した。

 生産面では、グループ会社のN9&PGとの関係を強化。計画生産による商品の質向上と戦略的な在庫量の準備で、14年9~11月はアウターの売り上げが前年同期比1・5倍に、ニットも伸ばした。結果、既存店売上高も15%増。12月以降も販売は好調という。

 店頭では、随時改装を行っている。新イメージへの統一に加えて、メーンのルックの打ち出し方、必要なフェイス数など、綿密な計算のもとに改装プランを立てた。今期(16年2月期)は、店頭ロゴの変更など小規模なものも含めて50店の改装を予定している。

 「海外で闘うには、改装、スタッフの立ち位置、品出しのタイミングに至るまで、理詰めのオペレーションが必要。そこに日本流のおもてなしを掛け合わせる」。

 2月末の国内店舗数は175(ウェブ除く)で、春は4店を出す予定。「基盤作りの年だった」14年度に続き、今期も国内、海外(香港、台湾)ともに既存店強化を重点に、グローバルブランドに向けた体制構築を続ける。 



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