アダストリアは京都丸紅と協業したきもののプロデュース事業「ブランド着物プロジェクト」のビジネス戦略発表会を7月29日に都内で開き、事業への手応えを強調した。若者に人気のブランドを掛け合わせたセレモニー向けきものを企画販売し、縮小する和装市場で若年層の需要を開拓している。
アダストリアが強化するBtoB(企業間取引)事業の一環。同プロジェクトは23年に開始し、今年2月に「ローリーズファーム」と七五三きもの、4月に「ヘザー」と二尺袖袴をそれぞれ協業企画し発表した。この日は、同事業第3弾の「ジーナシス」協業の振袖を披露した。
京都丸紅は、七五三きもののレンタル業者からの注文が通常商品の約3倍となったと説明した。同社ライフイベントきもの部の渡辺一創部長は「多様な価値観を持つ若い世代に新たな提案ができた」と評価。今後の協業にも前向きな姿勢を示した。
アダストリアはウェブストア「ドットエスティ」のオープン化を進めており、同ストアやSNSを活用した送客も検討中とした。ビジネスプロデュース本部の小林千晃本部長は「今回のプロジェクトは速いスピードで進められた。今後も幅広く取り組んでいきたい」と話した。
新作は、振袖には珍しい幾何学模様やパッチワーク柄を使った白黒のモノトーンで、差し色にビビッドカラーを使った。9月初旬から全国のきもの専門店などで販売とレンタルの開始を予定している。