アダストリア 健康経営推進室に女性リーダーが就任

2023/03/02 06:29 更新


関川さん

 アダストリアは3月1日付で、昨春新設した健康経営推進室に女性リーダーが就任した。室長に就いたのは、販売現場や人事部でキャリアを重ねた関川むつ美さん。アダストリア健保(AD健保)理事長と兼任する。従業員の約7割を女性が占める同社で「女性リーダーが社員の心身の健康や女性活躍を引っ張っていってほしい」(木村治社長)との考えで抜擢(ばってき)された。女性の視点で課題にきめ細やかに対応し、健康経営の取り組みを促進する。

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 昨年4月に「アダストリアグループ健康経営宣言」を制定した。従業員が安心して働ける環境の整備をさらに進め、従業員の家族や客、株主、取引先など、事業を通じて社会全体のウェルビーイングに寄与するのが狙い。健康経営推進室が21年設立のAD健保と協働し、従業員を主体とした健康推進委員会「アダストリア・ウェルネス・コミッティ」(AWC)の声も生かしながら、従業員の実態にあった健康経営増進事業や保険事業をアップデートしていく。

 関川さんは店舗販売員やSV(スーパーバイザー)などを務めたのち、13年に人事部に異動し、採用や制度関連の仕事に携わってきた。働くママの復帰支援など従業員の相談を受けてきた実績もある。「これまで従業員のあらゆる相談や経験を聞き、色々なキャリアや働き方があっていいと感じた」といい、多様なライフステージやキャリアを実現し、一人ひとりが生き生きと働けるような職場を作りたいという。

「従業員が安心して働ける労働環境の整備を進めていきたい」と室長の関川さん

 まずは、AD健保の重点の一つである女性に優しい労働環境の整備に注力する。「女性は働き盛りの若い時に婦人科系の病気にかかる例が多く、立ち仕事がつらいと悩む人もいる。そして、それが相談しにくいと感じることもある」ため、婦人科系疾患への正しい知識を従業員に提供し、健康課題とどのように向き合うかを伝えていければと考える。ほかにも、不妊治療や出産・育児を経験しながら、私生活と仕事を両立できる選択も増やす必要があるという。

AD健保と組み、従業員の声も参考にして健康経営をアップデートしていく

 AWCとの連携も大事にする。「メンバーに店舗スタッフもいる。これをやりたいとの声は従業員のためになることだと思う。どうやって形にできるか、サポートしてきたい」と話す。木村社長は「関川さんは販売現場や人事での採用など幅広いマネジメント経験を持っているため、現場で長く働きたい人の課題にアプローチできると思う」と期待を寄せる。

「女性リーダーで取り組みを進める」と木村社長


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