アダストリア 自社ECの物流センター全面リニューアル 効率高め働きやすく

2022/08/29 10:59 更新


 アダストリアは自社EC「ドットエスティ」の物流を担う茨城西物流センターを全面リニューアルし、9月1日から本格稼働する。運営は子会社のアダストリア・ロジスティクス(茨城県茨城町、中嶋俊介社長)。出荷業務とスタッフの作業負担を低減しつつ、自社ECサービスの価値を一層高める。

【関連記事】アダストリア出資の「ラブボニート」 初の期間限定店

 総面積は約4万9500平方メートル。ドットエスティの成長に対応するため、2年ほど前からリニューアルに向けて動いていた。投資額は約15億円。

 今回の重点は、機械化によって「人が歩く範囲を徹底的に減らすこと」(森泰憲国内物流管理部シニアマネージャー)だ。自動搬送ロボット120台と移動棚1400台をはじめマテハン機器を導入した。1日当たりの出荷件数は、これまでの最大1万9000件から最大3万4000件まで可能となり、作業生産性は現状の運用に比べて約1.6倍の向上を見込む。

 加えて、ECサービスの付加価値も向上させる。通常業務の作業時間は従来の40%を削減。その分、丁寧な梱包(こんぽう)や返品業務などに人員を充てる。自動化や省力化が進んでも、ドットエスティの利用が増えれば人の力は今後も必要という。

 同社は長く、自社で物流を管理してきた。同社の約30ブランドの膨大な在庫を最適に、かつ効率的に動かすためだ。引き続き、自社物流センターの利点を生かしながら、バリューチェーンの最適化をいろいろな観点で図っていく。将来的には「同業他社と一緒に取り組み、作業効率化やコストの低減につなげられれば」(林正武上席執行役員ロジスティクス本部長)とも考える。

 ドットエスティの売上高は311億円(22年2月期)で、会員数は1400万人を超える。今春から他社ブランドの販売も始め、今後、ドットエスティの需要のさらなる拡大に期待する。

林正武上席執行役員ロジスティクス本部長と森泰憲国内物流管理部シニアマネージャー(左)
120台の自動搬送ロボットを導入

関連キーワードデジタルニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事