メーカーのAI導入広がる アクセンチュア調査

2018/06/01 06:25 更新


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 総合コンサルティングのアクセンチュアの調査によると、メーカーの98%がAI(人工知能)を導入している一方、生産サイクル全体など大規模な活用をしている企業は少数だという。包括的な戦略の構築とAIの有効活用に強い相関関係があることも分かった。調査対象は世界6カ国(日、中、仏、独、伊、米)、6業界(自動車、トラック、自動車部品、産業・電気機器、重機、耐久消費財)の年商5億ドル以上のメーカー500社。

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 同社はAI活用の効果を出すために①自社の信念の表明②ビジョン構築③経営資源の投入④大規模な実行――の四つの段階が必要という。対象の4分の3が「自社の信念の表明」の段階にある。同社は「AI活用の実験段階にとどまっており、場当たり的な取り組みを行っている」と見る。

 AIを活用して製品を再定義する「ビジョン構築」段階の企業は16%。AIを最大限活用するためエコシステム戦略を定め、重点を置く分野を分析している。そのうち82%は自社の価値を高めるカギとして「顧客ロイヤルティーの向上」「製品やサービスの使用状況から深い洞察を得ること」を挙げた。同じく82%はAI活用の顧客へのメリットとして「安全性の向上」「ソリューションとサービスのスマート化」を挙げた。

 「経営資源の投入」段階の企業は5%。そのほとんどがAIの大規模活用に必要なIT機能とスキルの構築に力を注いでいる。そのうち「アナリティクスとシステム統合のスキルが必要不可欠である」としたのが91%、「AIの導入によってビジネスモデルが変わる」64%となった。

 「大規模な実行」に達している企業は2%。長期活用するAI技術を見極め、他社と差別化している。活用を予定する技術は、コンピュータービジョン(画像や映像の認識技術、73%)、ディープラーニング(64%)、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション、64%)。

 AIを活用する際の課題トップ3は「データ品質」(51%)、「データセキュリティーとサイバーセキュリティー」(45%)、「AI組み込み型ソリューションを〝買うか作るか〟の判断」(40%)。



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