【ニューヨーク=杉本佳子通信員】Jクルーグループが破産法申請手続きの準備をしていると、アメリカのメディアが一斉に報じている。Jクルーブランドはここ数年もの間不振が続いていて、好調な「メイドウエル」ブランドを分社化して株式公開しようとしていた。しかし新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、その案は3月に取りやめになったと、ウォールストリートジャーナルは報じている。
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昨年11月から1月までのJクルーグループの総売上高は7億4720万ドル(前年同期比2%増)、既存店ベースの売り上げは3%増だった。Jクルーの売上高は5憶1680万ドル(2%減)、既存店ベースの売り上げは1%増だった。メイドウエルの売上高は1億7810万ドル(13%増)、既存店ベースの売り上げは9%増だった。純利益は150万ドルだった。前年同期は7440万ドルの純損失だったが、それは過剰在庫処分に関連して発生したという。
自宅待機命令が出て、重要とみなされていない商業活動が禁止されているため、コロナウイルスの感染が広がる前から弱体化していた小売業は、多くの従業員を解雇し、家賃を未払いにしても経営を続ける体力がなくなっている。ニーマンマーカスとJCペニーもこの間、それぞれ破産法手続きの準備をしていると伝えられている。ヴィクトリアズシークレットを売却しようとしていたLブランズも、シカモアパートナーズが合意を破棄しようとしており、先行き不透明な状況だ。