セブン&アイ・ホールディングス(HD)は5月27日の株主総会で、スティーブン・ヘイズ・デイカス筆頭独立社外取締役が社長に就任することを決めた。井阪隆一社長は退任、特別顧問に就く。「国内事業の最適化に一定のめどがついた」(井阪氏)ことから社長交代する。
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イトーヨーカ堂などのスーパーストア(SST)事業を子会社から外し、コンビニエンスストア事業でグローバルな成長を目指す。SST事業はファンドのもとで上場を目指す。
セブン&アイHDはアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けているが、独自に「価値を顕在化させる」(デイカス氏)として、米国セブン‐イレブンの上場、ヨーカ堂などを傘下に抱え、SST事業を担うヨークHDの売却で30年度までに2兆円の株主還元を行うことなどを表明した。
ヨークHDは9月に8147億円でファンドのベインキャピタルに売却されるが、以降の出資比率はベイン60%・セブン&アイHD35.07%・創業家4.93%にするという。
ヨークHDはヨーカ堂のほかヨークベニマル、ロフト、赤ちゃん本舗、セブン&アイ・クリエイトリンクなどを傘下に収めており、数年後の上場を目指す。井阪氏は「苦しい構造改革を社内で行ってきたが、ようやく上場を目指す発射台に立てた」との認識を示した。
それぞれの事業運営方針は今後、ベインが各社と協議することになっている。ベインのリソースを活用しながら成長を目指す。セブン&アイHDは約35%の株式の保有を継続するが、コンビニ事業で食分野での連携を維持する狙い。