繊維・ファッションとライフスタイル関連ビジネスの発展に寄与した企業・団体、個人に繊研新聞社が贈る第39回繊研賞の贈呈式が3日、都内で開かれた。
繊研賞は、産業振興を目指す純正国産表示制度「J∞QUALITY(Jクオリティー)商品認証事業」が評価された日本ファッション産業協議会、都市型マルシェとファッションの融合で今、東京で最もおしゃれな人々が集まる「Farmer’s Market@UNU+Raw Tokyo」を運営するファーマーズマーケット・アソシエーション、世界的に高い評価を受ける国産の「水沢ダウン」を展開するデサントに贈られた。熊本地震から全館営業再開した鶴屋百貨店、寝装・寝具業界の発展に寄与した西川グループの故西川甚五郎氏、新解放系インナー「SUHADA」(スハダ)を展開するワコール、キャンプをおしゃれなアクティビティーに変えたスノーピークに特別賞が贈られた。
来賓の糟谷敏秀経済産業省製造産業局長は「繊研賞は時代を映す鏡。受賞された企業・団体、個人の方は業界をリードしていただきたい」とあいさつ。選考委員会を代表して、廣内武委員長(オンワードホールディングス会長)は「受賞は例年よりも多く、それだけ活躍されている企業・団体、個人が多い。その意味で業界の未来は明るい」と講評した。
受賞者からは、日本ファッション産業協議会の三宅正彦会長が「関係者の方々の応援が受賞につながった。今後も日本のファッション産業のために頑張りたい」と謝意を述べた。また、ファーマーズマーケット・アソシエーションの田中佑資氏は「食とファッションは同じ感覚でつながっている」、デサントの石本雅敏社長は「繊研賞の受賞と、選考基準の一つである国産の物作りで選ばれたことは二重の喜び」とそれぞれ語った。
特別賞を受賞した、鶴屋百貨店の久我彰登社長は「被災地の復興はまだまだこれから。引き続きご支援をいただければ、熊本はますます元気になる」と改めて復興支援を呼びかけた。西川産業の西川八一行社長は「故人から受け継がれたのは『三方よし』と『伝統は革新の連続である』。皆様に少しでも恩返しできるよう努めたい」と述べた。
ワコールの安原弘展社長は「自分の胸に合わせたブラジャーを選びたい、という価値観の具現化を評価いただき感謝している」と語った。スノーピークの山井梨沙執行役員アパレル事業本部長は「アパレル業界と一緒にアウトドアに親しむ人口を増やしていけるよう頑張っていきたい」と述べた。
選考は廣内委員長のほか、新井良亮ルミネ会長、大西洋氏、重松理ユナイテッドアローズ名誉会長、下村彬一東レ相談役、塚本能交ワコールホールディングス社長による選考委員会で決定された。