毛皮・レザー製品製造卸の23~24年秋冬物商談がにぎわっている。新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けの変更に伴い、消費者の外出増加が見込まれ、今秋冬物の消費も旺盛になると予想される。
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4月に東京で開いた展示会の集客は順調だった。「来場は去年と比べるとかなり多い」というのは岐阜毛被。外出が活発になり、コロナ禍からの脱却への期待からバイヤーのモチベーションが高まっているのが背景。実際、「婦人服専門店の売り上げが好調」とする。ほかにも、「集客状況についてはかなり良くなっている」(ノースリバー)、「来場が多く盛況だった」(北川)などの声が上がる。
ただ、来場者の増加が実際の売り上げ増に直結するかは不透明だ。「アンチファーの流れは一時よりも落ち着いた」とするものの、「毛皮製品がここ数年、トレンドに浮上してこない」ため、実需としては各社とも慎重だ。「中国など海外でも毛皮は人気がなくなりつつある」など向かい風が続く。
そうした流れを踏まえ、各社が力を入れるのはレザーや獣毛、ダウンを使った製品だ。毛皮製品と比べると買いやすい価格で、販売期間や着用期間が長い。店頭で重宝されるアイテムだ。
フェイクファーを使ったアウターや小物雑貨なども増えている。フェイクファーは、年々グレードが高まり、質感や見た目は「一見するとミンクと違いが分からない」ほどになったという。ただし、毛皮より単価がかなり落ちるため、「(フェイクファーは)リスキーなアイテムでもある」と話す企業もある。
毛皮製品自体は全体として減少傾向にあるものの、定番のトリミングコートでカラーバリエーションを充実させるといった動きもある。