【2019年・新時代をどう生きるか】イメージ・マジック 山川誠代表取締役社長CEO

2019/08/06 00:00 更新



 当社は「個性と創造性溢れる、豊な社会づくりに貢献する」を経営理念に、Tシャツ、バッグ等を主力としたアパレル製品のオンデマンド・プリント・ソリューションズ(ODPS)のシステムを自社開発し、自ら印刷サービスを行うことで改善を行ってきました。私たちはITを使って物作りをサポートする会社です。

●完成在庫を最小化する新しいアパレルビジネスへ

 消費者の趣味・趣向が多様になるなかで、今後さらに多品種小ロット化が進み在庫を限りなく減らし、無駄なものを作らない時代へと変わっていきます。

 そうなると、シルクスクリーンプリントの大量生産から、インクジェットのオンデマンドプリント生産へと移行します。現状、国内市場のTシャツの印刷方法のシェアは、大半がシルクスクリーンで、インクジェットは10%弱程度だと推定されますが、25年には25%にまで拡大するとみています。シルクスクリーンプリントの工場の作業者が高齢化し、技術の継承などが困難になっている一方で、インクジェットによる生産はこれからのオンデマンド時代に向け在庫を持たずに必要量を供給できる最適な生産方法と考えています。

●受注から出荷までをクラウド管理で

 この変化に対応するために開発したのが、IoT(モノのインターネット)を使ったクラウドサービス「ODPS」です。Tシャツ1枚のプリント加工が、注文からプリント/出荷まで5分で完了するもので、作業時間を大幅に短縮し倉庫や工場の人手不足を解消、人件費の削減にもつなげられます。

 「ネットを使った最適な受注システム」「クラウドによる生産管理システム」「適した装置やプリンター」この3つが揃うことで実現したODPSですが、最大の特徴は、異なるデザインでも、パソコンを操作することなく作業者はTシャツをプリンターにセットし、ボタンを押すだけだという点です。(特許申請中)

 プリント後から出荷までの工程も高速で処理できる装置ではTシャツをセットしてボタンを押すだけで1時間500枚をたたんで袋詰めする「たたみ袋詰め機」、自動で発送伝票貼り付けと袋梱包ができる「梱包出荷機」などの生産出荷に貢献できる装置も販売しています。

●生産設備のネットワーク化を目指して

 ODPSはプリント工場だけでなく、アパレルメーカーの物流倉庫、いずれは店頭での活用も見込んでいます。海外ではアパレルメーカーがプリンターを購入し自社の倉庫で生産し店舗や消費者に届けるというビジネスモデルが始まって拡大しています。私たちは自社で生産するだけでなく、様々な業種の方々にも生産できる仕組みを提供していきたいと考えています。

 国内国外問わずどこで作っても同じ品質の製品に仕上げることができるODPSの特徴を活用し、例えば店舗でTシャツが売れたら自動で生産の指示を出し、仮に大量の印刷であっても一ヶ所での生産が追いつかなければネットワークに繋がった同じ生産設備を持つ拠点で生産できる「瞬間製造」のネットワーク化にも取り組んでいます。

 これにより店頭の在庫を最小限にし販売機会損失を減らす事に貢献できると考えています。

 まずはTシャツやバッグからサービス開始しましたが、アイテムは順次拡大していく予定です。また9月より今まで困難とされていたポリエステル素材へのオンデマンドプリントサービスも開始予定で、スポーツアパレルマーケットの改革の一翼を担いたいと計画しています。

 私たちはこれからもアパレルオンデマンド時代に対応した最適なシステム・設備を提案し続けていきます。


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株式会社イメージ・マジック
代表取締役社長CEO
山川 誠氏



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