17年上半期の繊維倒産 件数増も負債額減

2017/07/06 04:28 更新


 信用交換所によると、17年上半期(1~6月)の全国繊維業者の倒産(負債1000万円以上、整理・内整理を含む)は、237件で前年同期より15件増えた。負債額は421億8000万円(11.1%減)で、過去10年間では13、14年に次ぐ少なさだった。

 負債額10億円以上の倒産はエマルシェ(店名・さくらの百貨店仙台店、負債額31億円)、アート・スポーツ(東京、同15億8900万円)、東京衣裳(茨城県石岡市、同15億6000万円)など5件で、4件減り、全体の負債額を押し下げた。

 業種別では、「小売商」が85件、「紳士・婦人・子供・被服製造卸」が67件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」が30件。この3業種で全体の76.8%を占めた。

 その他は「織物卸」10件、「染色整理・特殊加工」9件。「寝具・インテリア製品製造卸」8件、「呉服・和装製品製造卸」6件、「織物製造」3件、「糸・原料卸」2件など。

 原因別では「業績ジリ貧」が206件と最も多く、「業況急変」24件、「資金力薄弱」3件、「貸し倒れ損失」2件など。

 この間大手アパレルメーカーが店舗閉鎖などリストラを進めたことで、「納入する中小メーカーや加工業者も業績を落とす〝負のスパイラル状態〟が続き、今後もジリ貧型倒産が一定数発生することが予想される」としている。



上半期の倒産件数と負債額


6月は44件、負債総額は62億円

 信用交換所によると、6月の全国繊維業者の倒産(負債1000万円以上)は44件で、前月と同数、前年同月との比較では9件の増加となった。負債額は62億円で前月比で34億円の減、前年同月比では10億円の増加となった。

 負債額10億円以上は婦人カジュアルのゾディアック(東京)のみ、5億~10億円でも同社グループのアセットナイン(旧デュラス)のみ。同社のほかヤングレディス系のメーカーの倒産が目立ったものの、全体には小康状態にあるとしている。ただ、エアバッグなど自動車安全部品メーカーのタカタの民事再生法適用申請による連鎖や景気の影響が懸念される。

 業種別では、紳士・婦人・子供服・被服製造卸が14件、小売商13件、ニット製造・洋品雑貨製造卸8件、染色整理・特殊加工2件などとなっている。

 なお、信用交換所名古屋本社によると東海地区の倒産件数は5件で、前月よりも4件増加、前年同月比では4件の減少となった。負債額は3億円。




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