ノースオブジェクト 3ブランドで卸し先広げる 子育て女性へ生活提案

2014/11/14 11:37 更新


婦人服製造・販売のノースオブジェクト(大阪市、南大助社長)は、主力の卸売りで事業基盤を固めつつ、直営店を軸にライスタイル提案を強化する。中期計画では、「子育て世代の女性に役立つ」ようなアパレル以外の店舗開発やイベント開催を目指す。

 同社には、「ノーザントラック」「ノースオブジェクトプチ」(プチ)、「ノースオブジェクト・リラシク」(リラシク)の3ブランドがある。プチはSCで販売員を付けないセルフサービス売り場、最も新しいブランドのリラシクは専門店と直営店。3ブランドを複合した売り場は、家具屋やホームセンター、雑貨店など異業種に広げている。今後、アパレルをメーンとしない異業種での販路拡大を見込む。単なる卸売りではなく「パートナーショップ」として、ノースオブジェクトが売り場の保守・点検、予算管理、販促を手伝い、収益拡大につなげる。将来は直営店への変更、パートナーショップによるオリジナル企画も計画する。

 直営店の「ペサ」と「ケイット」では服に加え、ベーカリーと生活雑貨との複合化を進めている。ケイットではプチとリラシクを販売、秋にスープやパンを提供するカフェを開設。15日にはベーカリー2号店「ケイットレイパ」を併設する予定だ。

 ケイットレイパは工房だけで約90平方メートルと広い。ペサではできなかった飲食店への卸売りも計画。将来独立を希望する職人を育成しながら人員を確保し、単独事業として育てる。

 直営店では作家と協業して制作した食器やアクセサリーの販売を始めた。アパレル事業とテイストを揃えながら、ライフスタイル関連の事業を広げる考えで、現在、社内からの独立支援制度を整えている。例えば陶芸や手芸、花などの小売りや習い事での起業を後押しし、商店街などにまとまって出店することで地域活性化につなげる。

 来年1月のJFW‐IFF(インターナショナル・ファッション・フェア)では、テイストをともにする雑貨メーカーや子供服メーカーに共同出展を呼びかけ、同社3ブランドとペサのパン、ドリンクブースと一緒にライフスタイル提案型のブースを作る予定。

 同社の2~7月の上期売上高は約10億円(前年同期7億8000万円)。卸売りで販路が広がり、8、9月も上期同様に伸びている。

(繊研新聞 2014/11/12付)



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