18年春夏の婦人靴は、心地良いテクスチャーがクリエイションの鍵となりそうだ。国際靴見本市や欧州ブランドの展示会では、素材の生かし方でネオフェミニティーとも言える新鮮な女性像やスポーツムードが打ち出された。
(須田渉美)
前シーズンに続いて、スタイルは限定されず、多様に提案されている。ポインテッドトウのパンプスは定番を維持し続けながら、スクエアトウが広がり、ミュールサンダルへの応用が目立つ。ヒールはフラットから7~8センチまでで満遍なく提案され、太さも様々。造形に凝るよりも、目や肌、フィッティングで感じる快適性をいかに表現するか、テクニカルな部分までデザインされ、「仕事をしていても、ドレスアップするときも、スニーカー以上にリラックスした履き心地を感じてもらいたい」と考える作り手が多い。
重要なキーワードは「ソフトタッチ」「ライト」「ストレッチ」。柔らかな起毛のスエードが、パンプスはもちろん、普段使いの一枚革のバレエシューズ、サケット製法のモカシンにも採用されている。クラシカルなフォルムでも、ペールグレーやアイスブルー、フクシャピンクやターコイズなどでクリーンでソフトな女性らしさが引き出される。また、サンダルには、サテンが多く使われ、品の良さと軽さが強調されている。
ハイエンドのブランドでは、薄手のレザーや伸縮性に優れたニットを積極的に取り入れ、フェミニティーやエレガンスの表現を進化させている。素肌を美しく見せるランジェリー素材をハイヒールに融合したのは「ジャンヴィト・ロッシ」。「究極のソフトタッチと軽さを伴った、官能的な女性らしさ」にオリジナリティーを出す。多くのブランドが、成型編み機を使ったソックススニーカーにも取り組み、ユニークな色柄で製品化している。
女性らしさの表現では、レースを生かしたトランスペアレントな装飾、サマーツイード、フォーマルなプチリボン、レースアップディテールのサンダルがトレンドだ。

