14年春夏トレンドチェック結果 スポーツエッセンスが1位

2014/07/26 16:55 更新


 「スニーカーが前シーズンに続き売れた」「シャツが好調だった」。14年春夏に有力店で売れた商品として挙がったのは、スポーツのムードを感じさせるアイテムや、スタンダード、ベーシックといったキーワードを反映したアイテムだ。スポーツやスタンダードの流れは、14~15年秋冬も売れ筋の本命として期待視されている。

 トレンドテーマでは、「スポーツエッセンス」が他を引き離して1位となった。「モノトーンを基調にして、スポーツアイテムをカジュアルでなくモードに取り入れたスタイルが好評だった」(ドゥーズィエムクラス)といった声が挙がっている。「シューズでもスポーツムードを取り入れたデザインへの反応の良さは顕著で、スニーカーやPVC使いのスポーティーなシューズは幅広い年齢層に売れた」(松屋)、「前シーズンに続き、スリッポンスニーカーはダントツで人気だった」(アデライデ)というように、足元のおしゃれとしてスポーツ要素を取り入れる動きも強かった。

 トレンドテーマの表にはないが、スタンダードやベーシックといったテーマに関連したアイテムが好調だったという声も出ている。今春夏の注目ワードとなった〝ノームコア〟を背景にした流れだ。「スーパースタンダードというテーマで打ち出したアイテムが好調だった」(バーニーズニューヨーク)と言う。

 アイテム別では、スカート類やスエットトップ、トレンチコート、シャツなどが好調だった。スカートはフレアシルエットを抑えてストレートシルエットが1位になった。ただし、「ボリュームスカートが全般的に売れた」(三越)という声もあり、スカートは様々なデザインバリエーションで売れたようだ。人気の続いているスエットトップは「変形デザインの半袖が売れた」(伊勢丹)など、遊びをきかせたデザインが支持された。

 期待を超えるヒット商品となったのがトレンチコートだ。発注や立ち上がり時のアンケートでは低調だったのに、結果の数値はどのアイテムよりも高かった。スタンダードやベーシックの流れがトレンドとなったことが後押ししたようだ。「カラーバリエーション豊富に提案したところ、定番以外の色もよく売れた」(阪急百貨店)と言う。トレンチコートと同じく、ベーシックの流れを受けてシャツも売れた。「『フランク&アイリーン』のシャツは生地の感触や型のこなしが良く、入荷すると即完売という状況が続いている」(エストネーション)という店もある。シャツ人気と連動して、素材では麻が4位となった。これら以外のアイテムでは、シーズンらしさたっぷりの「チューブタイプのブラトップが売れた」(ロンハーマン)という声もある。

 雑貨では、スニーカーに続いてクラッチバッグやトートバッグが上位に入った。新顔アイテムとして期待されていたフットベッドタイプのサンダルも「スニーカーに代わる商品として、トレンドに敏感な層に支持された」(ユナイテッドアローズ)という。

 ■アンケート協力者(敬称略) 右近一成(三越銀座店婦人子供特選宝飾営業部計画担当マネージャー)▽大田彩(三越伊勢丹リ・スタイルバイヤー)▽岡ゆみか(ドゥーズィエムクラスバイヤー)▽折笠千春(バーニーズニューヨークウィメンズアクセサリーシニアMD)▽関本美弥子(松屋ファッションディレクター)▽高橋千晶(エストネーションウィメンズセレクトディヴィジョンチーフバイヤー)▽民谷啓(阪急阪神百貨店婦人インターナショナルデザイナーズ商品部長)▽中尾有里(バーニーズニューヨークウィメンズウェアMD)▽中島英恵(ユナイテッドアローズウィメンズバイヤー)▽根岸由香里(ロンハーマンウィメンズクリエイティブディレクター兼バイヤー)▽長谷川佐希子(アデライデバイヤー)

(2014/07/25繊研新聞)



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