音楽で磨く感性、仕事に活きる
高級腕時計、宝飾品の輸入・卸・販売をしていますが、プロのオカリナ奏者の顔もあります。
10歳の時、父が楽器店でのデモンストレーションを見て、お土産に買ってくれたのが出会いです。意外に簡単に音が出せるのが楽しくて、NHK特集「大黄河」のテーマ曲を吹く宗次郎さんのCDを聞いてマネたり、謝恩会で吹いたりしていました。
けれど、中学に入りしばらくするとサッカーに熱中し、全く触らなくなりました。再び手にしたのは高校3年の夏です。骨折したため、キャプテンも務めた最後の大会をベンチで迎え、サッカーを引退。頭の中が真っ白なまま、家族とモンゴル旅行に行きました。旅先の草原で、何気なく持ってきたオカリナを吹き、改めていい音だなと。以来、人前で吹き始め、大学在学中にプロの方とライブに参加、大学卒業年の99年には初のCDをリリースしました。
その後、音楽活動も続けながら01年にホッタに入社しました。04年に父の後を継ぎ社長に就任してからは、本業に迷惑をかけないよう音楽は週末だけにフェイドアウト。それでも、年数回はライブ演奏をし、今年は5年ぶりにCDも作る予定です。
経営の仕事では、時に濃く、重たい体験もします。それは人としての経験値となり、音に反映されます。一方で音楽で磨いた感性は仕事にも活きてきます。ですから、いい演奏ができない時は、経営者としてもダメな時。そんな風に思うんですよ。
このページは2月6日付の繊研新聞6面 SenkenCommyunityに掲載しています。