《「衣」で命を守る①》軽視されがちな「服」に光

2023/04/06 13:00 更新会員限定


「衣」で命を守ると熱心に語り合う研究会

 地震多発地域の日本。島国である日本周辺の大地震は津波被害につながることを、東日本大震災で目の当たりにした。地震による家屋倒壊など一次被害を逃れても、津波でぬれた服で長時間いると、低体温症に襲われ命が奪われるリスクがある。着替えさえあれば助かる命もある。繊維や衣服に関わる研究者を中心に、より良い備蓄衣料の開発や普及を進めている衣類に関する災害支援研究会(W研究会)の皆さんに聞いた。

 ――この研究会の発足の経過は。

 須田 東日本大震災の際、被災地で衣服の洗濯などのボランティア活動に関わりました。その時、家庭でも衣服の備蓄が必要なことや、被災地で求められる衣服、低体温症対策に必要な繊維製品の必要性を痛感し、その啓蒙(けいもう)に携わってきました。研究会のきっかけは、日本繊維製品消費科学会の災害・安全研究委員会で水谷さんらとの講演です。その後、日本家政学会関西支部で「備蓄物資を活用した防寒対策の検証」で研究発表を行った谷先生らのグループにコンタクトし、研究会につながりました。

ヒトは寒さには弱い

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