東京都区部の生鮮食品を除いた消費者物価指数は23年、前年比で3.0%増となった。実感はそんなものではないのだが、ともかく41年ぶりの高水準だったから、それが重いのは間違いない。
商業施設の多くが増収基調にある。コロナ禍から解き放たれた消費者の外出先に選ばれていると言えるが、単価上昇が客数の減少を補っているともよく聞く。多くの流通業に共通することだと思うが、すでに買い物の頻度や量を減らしている消費者が、ここで購買意欲をさらに下げて、買い控えが広がったら大変なことになる。
24年の物価は、直近の動向も含めて23年同様に上がり続けることはないという見立てなのだが、下がるのではないのだから伸び率の鈍化に期待すべきではないと考える。私たちは高い物価のもとで暮らし続けなければならないことを忘れてはいけない。イオングループはパートの時給を7%引き上げる方針とのことだが、賃金を引き上げて物価との好循環を実現する必要性は変わっていない。
(光)