《視点》Z世代はリスク?

2023/01/31 06:23 更新


 新年になるとしばしば取り上げられるのが、コンサルティング会社のユーラシアグループの発表する「世界の10大リスク」。ロシアや中国、世界的なインフレといった中に、「TikTokなZ世代」というものがあった。

 リポートによれば「企業や公共政策を再構築するためにオンラインで組織化する能力と動機の両方を持ち、ボタンをクリックするだけで世界中の多国籍企業の活動を困難に陥れ、政治を混乱させることができる」とある。ジェンダー問題や環境問題、経済的不平等に関心が高く、「生まれながらの活動家」であり、社会福祉や政治、労働政策などに変化をもたらす存在ということでリスクの一つに選ばれたようだ。

 ただ、彼らをリスクと考えるのはいささか違和感もある。90年代後半から10年代に生まれたZ世代は、これからの社会の担い手だ。時代によって社会の仕組みが変化していくのは当然で、それに対応できなければ企業は淘汰(とうた)されていくもの。いかに彼らが求める商品やサービスを供給できるかどうか。そこにはリスクではなく、新たな事業展開といった成長のチャンスがあるように感じる。

(騎)



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