《視点》賃金アップは残念?

2021/08/20 06:23 更新


 全国の最低賃金が今秋から平均28円引き上げられることになった。主に地方の県でこれまで790円台が複数あったが、今回の引き上げで全ての都道府県が820円を上回ることになり、全国最高の東京が1041円、最低の沖縄が820円となる。

 働き手が少なくなっていく日本で賃金アップは当然だろうと思うが、経営者からすると受け入れがたいらしい。日本商工会議所など3団体は最賃引き上げを受けて共同声明を発表し、「きわめて残念。到底納得できない」と反論している。

 コロナ下で多くの企業の経営状況が悪化しているタイミングの賃上げは困るという主張はわからなくもないが、そもそも人件費を最賃ギリギリに抑えて利益を上げようとする会社に未来はあるだろうか。それでなくてもこの20年の間、各国の賃金が右肩上がりなのに対し、主要先進国で日本だけが横ばいで停滞している。

 73年のオイルショックでは石油価格が高騰・供給不足となって一時的に経済は混乱したが、逆にこれを契機に日本の製造業は省エネ化を加速し、産業構造も変化した。それまでのように石油が安価なままではこうしたイノベーションは生まれなかったはずだ。

(恵)



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