先月末から掲載した連載「エグゼクティブキャリアの新市場」に、思いがけず多くの反響を頂いた。管理職女性のマーケットに潜在力を感じているファッションビジネス企業は多いようだ。
これまでになかったマーケットだけに、メーカーや小売りは手探りの段階だ。ある企業のセミナーで、最先端のトレンドを盛り込んだキャリアスタイルを提案したところ、管理職女性から「私たちのことを分かっていない」と見向きもされなかったこともあったという。ファッションを仕事にし、ファッションに精通した売る側と、真面目に仕事に取り組んできた結果、ファッションに時間やお金を費やしてこなかった買う側とのギャップは大きい。
男性が管理職になったときに服装に悩むという話はあまり聞かない。〝スーツ難民〟という言葉も女性のマーケットならではだろう。そもそも、女性の管理職がレアな存在であることが最大の問題。近い将来、管理職女性が当たり前になり、売る側も買う側も今のような悩みがなくなるのだろうか。
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