【フィレンツェ=小笠原拓郎】「アンダーカバー」と「タカヒロミヤシタザソロイスト.」が、フィレンツェでジョイントショーをした。ピッティ・イマージネ・ウオモの招待イベントとして18年春夏コレクションを披露。アンダーカバーがピッティの関連イベントとしてショーをするのは2度目、タカヒロミヤシタザソロイスト.は初。
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昨秋の東京コレクションシーズンに、「サカイ」とジョイントショーをしたアンダーカバーだが、今回はタカヒロミヤシタザソロイスト.とジョイントした。

「オーダー/ディスオーダー」という共通のテーマを背景にした二つのコレクションは、色柄やアイテムなどで全く逆のアプローチとも受け取れる内容。「秩序や命令、規律、体制といった意味とその反意語」を切り口に、それぞれの持ち味を生かしたコレクションを見せた。
細かなプリーツをびっしりと入れたフレアスカートのセットアップでスタートしたアンダーカバーは、宇宙飛行士をモチーフにしたプリントやフューチャーリスティックな要素を取り入れたショルダーバッグなどを加えてみせる。
クリーンな色にタータンチェックやバッファローチェック、ケーブルニットにダウン、フリース、ペーパータッチのしわ感など、色と素材を豊富に組み合わせる。アイテムもカットオフのハーフパンツにハイソックス、ダウンのベストにケーブル編みのチュニックのレイヤードなど、どことなくボーイッシュな合わせが多い。
フューチャーを感じさせるタイポグラフィーやディテールの一方で、フリースのセットアップやアーガイルのツインニットなどは柔らかい量感とフォルムに仕上がった。ゴーグル部分にライトがついた宇宙飛行士が着るようなダウンルックの幻想的なイメージでフィナーレに。
一方のタカヒロミヤシタザソロイスト.は、黒と白、グレーにエマージェンシーカラーのオレンジを挟んだミニマルな色構成。マスクやフードですっぽりと顔をおおったミステリアスなスタイルに終始する。

グレンチェックやハウンドトゥース、ヘリンボーンといったクラシックなジャケットやパンツもあるが、そのまま着るのではなく、パーツのように背中からつり下げたり、パンツの裾にテープを巻きつけてフォルムを変える。アタッチメントのようにくっついたショルダーパーツ、たくさんのアイテムを重ねることで垂れ下がるテープの束。そんなディテールが顔を隠したアノニマスなムードとともに、ある種の圧迫感をもって迫ってくる。
それぞれのショーが終わった後、グランドフィナーレで、アンダーカバーは白いプリーツスカート、タカヒロミヤシタザソロイスト.は黒のセットアップのコントラストで幕を閉じた。(写真=catwalking.com)