25年の大阪・関西万博開催が近づき、大阪・梅田の集客力が更に高まりそうだ。7月開業予定の商業施設「KITTE大阪」が入るJPタワーが今春に完工し、広大な公園を備えた「グラングリーン大阪」が9月に先行開業する。秋には、オフィスと商業施設から成る「イノゲート大阪」が開業を予定。JR大阪駅周辺での複合施設開発が相次ぐ。
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飲食店が充実
日本郵便などが手掛けるJPタワーは、大丸大阪・梅田店の西側に立地する。地下3階~地上39階で、延べ床面積は22万7000平方メートル。地下1階~地上6階にKITTE大阪(賃貸面積1万6000平方メートル)が入る。地下2、3階が駐車場、5~8階は劇場、7、8階はホテルバンケット、9階はオフィスサポート、11~27階はオフィス、29~38階はホテルの多機能施設だ。
KITTEは、物販・飲食ともに日本各地の特産品の発信を重視する。7層のうち、4層が飲食店中心のフロア構成となる。
JR西日本などが手掛けるイノゲート大阪は、JPタワーのJR線路を挟んだ北側にできる。地下1階~地上23階で、延べ床面積は6万440平方メートル。3~5階にJR西日本大阪開発が運営する40~50店の飲食店街「バルチカ03」が入る。
6階がカルチュア・コンビニエンス・クラブによるオフィスロビー、9~11階がフレキシブルオフィス、貸し会議室、12~22階がオフィスになる。
大規模イベント空間
三菱地所など開発事業者9社で手掛けるグラングリーン大阪は、13年春に街開きした「グランフロント大阪」の西側で、開発面積は9万平方メートル強。約4万5000平方メートルの「うめきた公園」のほか、ホテルやMICE(会議、研修旅行、国際会議、イベントなどの総称)施設、商業、オフィス、マンションなどで構成する。
このうち、大屋根イベントスペース(1500平方メートル)と芝生広場などで構成する、うめきた公園のサウスパーク全面とノースパークの一部、新産業創出や産学官民の交流拠点と位置付ける「ジャムベース」、ホテルなどで構成する北街区賃貸棟が先行開業する。
サウスパークは最大1万人規模が参加できるイベント空間と位置付けている。25年春にオフィス、ホテル、MICE、商業施設、都市型スパなどが入る南街区賃貸棟が完成し、27年春の全体開業を予定している。うめきた公園は、大規模ターミナル駅直結の公園としては最大規模になるという。
これら新施設開業はインバウンド(訪日外国人)の来阪増にも結びつきそうだ。阪急うめだ本店の23年4~9月の免税売上高は239億円に上り、全国百貨店で1位。10月以降も単月売上高の過去最高が続く。ルクア大阪の免税売上高も19年実績を大幅に上回って推移している。
大阪観光局によると、23年の来阪外国人客数推計は19年比15%減の979万8000人ながら、府内の消費総額推計は19年比11%増の9210億円。24年は1400万人、25年は1500万人の来阪を目指している。