UAのコーエン、上期の業績急回復 MD精度が向上

2017/11/08 04:30 更新


きれいめのカジュアル服をリーズナブルに

 ユナイテッドアローズの子会社コーエンの業績が急回復している。ターゲット客を見極め、商品企画を改善、品番も絞り込んだ結果、上期(2~7月)は全社売上高、既存店売上高とも2ケタ増収となり、粗利率も改善、販管費率も低下し、経常利益は上期ベースでは過去最高益となった。来期以降、出店を増やし、さらに業績を拡大する。

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 前期(17年1月期)まで2期連続で減益だったが、前年下期から、ユナイテッドアローズの藤澤光徳専務執行役員が陣頭指揮する形で構造改革に着手した。ベーシックなカジュアルウェア主力の「コーエン」は現状85店がある。収益性低下を受け、まず、コアターゲットを団塊ジュニア世代に絞った。

 客層を特定すると同時に、ユナイテッドアローズの基本的な商品政策を下敷きにして、商品企画に「先駆性」「時代性」「独自性」の三つの軸で見直し、ベーシック以外にトレンド感を取り入れた商品を増やした。MDも月次から週次に改め、品番数がメンズで1割、ウィメンズで3割絞り込んだ。

 セルフ販売であることをベースに店舗当たりの適正人員数も見直し、本社業務もそれに伴い効率化した。一連の施策が実り、上期は売上高55億円で前年同期比14%増収となり、既存店売上高も14%増となった。ターゲットに合わせた商品に絞り込んだ結果、プロパー消化率も高まり、総利益率も改善した。

 ユナイテッドアローズは今期からスタートした中期ビジョンの中で、コーエンでは社名を冠したストア以外の新業態も始める計画を検討していた。だが、上期の想定以上の業績改善により、20年3月期までの中期ビジョン期間中はコーエン事業に専念して同社の成長を目指すことにした。




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