ツカモトコーポレーション 土に返る新素材「リテラ」を開発

2021/08/05 06:29 更新


 ツカモトコーポレーションのファッション事業部は、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みの一環として、土に返る生分解性の新素材「リテラ」を開発した。地球に優しいファッションを広める狙いでリテラの商品化プロジェクトを立ち上げ、第1弾として鹿の子Tシャツを製作し、クラウドファンディング(CF)サイト「マクアケ」で8月2日から試験販売を開始した。リテラの認知度向上と普及に力を入れ、協業品も含むリテラ製品の市場拡大を目指す。

 同社は「大量生産、大量廃棄を行うファッション産業の環境問題に一石を投じる素材が必要」と考え、堆肥(たいひ)中で分解処理を行える繊維に注目。素材の専業と共同で、約3年かけてサステイナブル(持続可能な)素材としてリテラを開発した。

 リテラは、糸の成分の約30%がサトウキビ由来の植物性ポリエステル。製品化して使用後は捨てたり燃やしたりせず回収し、指定された環境下の堆肥中で特定の微生物が食べ、微量の水と二酸化炭素(CO2)に短期間で分解。ゴミにならず、一般的な焼却処分やリサイクルと比べ、CO2排出量も約40%削減できる地球に優しい素材だ。

 同社は「次の世代が生きる地球の環境を守るために今、服などで使われている素材を変え、ファッション産業で生み出される様々な環境問題を根本から解決する」ことを使命として掲げ、プロジェクトを発足。第1弾商品としてリテラを使った鹿の子TシャツをCFで9月17日まで販売し、一般の消費者に訴求する。丈夫で形崩れしにくく、通気性が高くサラッとした肌触りで、通勤やテレワーク用、普段着など幅広く使える商品として打ち出す。男女兼用でM~LLの3サイズ、紺、グレー、白の3色あり、税込み4900円。

 リテラを使ったツイル、平織りの生地も開発しており、Tシャツやシャツ、スカーフ、エプロン、エコバッグなどの商品化が可能。第2弾の商品開発を進め、秋には自社のECサイトを開設し、リテラ製品を販売する計画。並行してアパレル部では高感度なセレクト店や百貨店との協業品開発を増やし、ユニフォーム部でも環境意識の高い企業にリテラの採用を提案。10月に都内で開かれるサステイナブルファッション展にも出展し、販促を強めてリテラと使用製品を普及していく考えだ。

リテラの商品化第1弾の鹿の子Tシャツ


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