東京建物グループと読売広告社 空間メディアで新会社 商業施設に大型サイネージ

2025/06/02 14:30 更新


大手町タワーに既に設置、雑誌『ヴォーグ』などのPRを行っている

 東京建物と同社全額出資の商業施設運営会社のプライムプレイス、読売広告社は、デジタルサイネージ(電子看板)の企画・開発・運営とイベントによる「空間メディア事業」を行う新会社、ワンダースケープ(東京)を6月2日に設立した。東京建物グループの街作りと読売広告社の広告プロモーションなどのノウハウを組み合わせ、両社として事業領域を拡大する。

 JR山手線を中心とした首都圏の主要駅や全国の中心市街地の商業施設などに、大型サイネージを年間5カ所前後設置、30年度(31年3月期)までに約50億円を投資し、サイネージ計30カ所、売上高30億円を計画する。

 新会社の出資比率は東京建物56%、読売広告社34%、プライムプレイス10%。本社は東京都中央区の東京建物八重洲ビル内で、社長には神保健東京建物取締役兼専務執行役員が就いた。

 企業やブランドのPRなどの情報をサイネージで発信し、それと連動したイベントの企画・運営も実施することで、「都市空間を情報発信媒体として活用し、街作りに新たな魅力を加える」(神保社長)。ワンダースケープは設置場所をオーナーから借り、使用料などを払うとともに、情報を発信するスポンサーから広告費などを得て、収益を得る。「スポンサーのイメージと使用物件の資産価値の向上につながる」という。

 すでに、東京建物が開発し、運営する東京・大手町駅直結の大型複合施設、大手町タワーの地下2階広場に約300インチのサイネージを設置。コンデナスト・ジャパンの雑誌『ヴォーグ』『GQ』などや、知的障害のある作家のライセンス商品を製造・販売するヘラルボニーの展覧会の情報を放映している。ヘラルボニーとの取り組みでは「契約作家のアート作品の発信やアートイベントなども検討中」だ。大手町タワーでは今後、屋外スペースでサイネージと連動したプロモーションイベントも行う。東京駅前に26年に完工予定の「トフロム・ヤエス」や八重洲一丁目に29年度に完工予定の「呉服橋プロジェクト」など東京建物が今後開発する大型複合施設にも「実装していきたい」という。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事