「ザ・クラシック」 普遍性とエレガンスを新しい様式で

2019/08/28 11:00 更新


 20年春夏デビューのメンズウェア「ザ・クラシック」は、洋服の伝統や普遍性を重んじながら、エレガンスの在り方を現代に置き換える。デザイナーは、「マーガレット・ハウエル」のメンズラインのデザイナーとして経験を積んだ田中健。歴史的な背景や本質をついた素材を取り入れ、一つひとつの完成度にこだわり、11型のアウターウェアを揃えた。

 「究極のトラディショナルを目指したい」と田中。ブランド名のクラシックは、一流や最上級を意味するラテン語のクラス(Class)に由来する。デザイナーブランドのようにシーズンコレクションを出していくのではなく、単品で「クラシックを掘り下げることを大事にして、普遍的な形に特化させる」考えだ。

 「コムデギャルソン」でチーフパタンナーを務めた人材とともに企画し、テキスタイルから付属まで納得のいく質感や機能にこだわった。伝統の様式を受け継ぎ、オーバーサイズとジャストフィットの2通りのアプローチを試みている。

11型のアウターウェアを揃えた

 ステンカラーのコートは、仏ドーメルの撥水(はっすい)性に優れたギャバジンを採用、膝下丈にして布の美しい動きを際立たせた。ジャストフィット(11万2000円)は、上質なウールと「コーデュラ」ナイロンの混紡糸の生地を使い、繊細さの中に強靭(きょうじん)さとハリ感が存在する風合いでモダナイズさせている。オーバーサイズ(16万5000円)は、ウール・コットンの混紡糸を使った柔らかな生地で、背中心からボックスプリーツを入れ、Aラインの美しさにエレガンスをのぞかせた。

 ジャケットやチェスターフィールドコートは、英フォックス・ブラザーズのウール地を使い、接着芯を使わずに最も薄い毛芯を入れて、軽やかな着心地に仕上げている。「それぞれ、10年以上着用できるクオリティーを素材にさかのぼって設計している。20年後も新しさを感じさせるものを作っていければ」という。

軽やかな着心地に仕上げている


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