肩パッドプレスのタマックス サウナハットが好調 温浴施設やタレントと協業

2022/12/22 11:00 更新


千葉ロッテマリーンズと天然温泉湯~ねると協業したサウナハット

 肩パッドのプレスが主体のタマックス(岐阜市、玉腰光太郎社長)が新規事業でサウナハットを始めた。自社工場での確かな物作りやかぶり心地の良さが口コミで広がり、協業する温浴施設が増えている。

わずか15グラムの軽さ

 同社は社長の祖父母が服飾付属品の製造として創業。玉腰社長が引き継ぎ、11年に分社化して現在に至る。レディスのフォーマルジャケットやユニフォームの肩パッドのプレスを中心に、肩パッド用生地の裁断や肩パッドの縫製も行い、服飾副資材卸・メーカーと取引する。

 サウナハット開発のきっかけは、社長の息子・竜之介さんと社員の中澤采花さんがサウナにはまったこと。爽快感にひかれ、東京や神奈川、岐阜のサウナを回り始めた。

サウナハットを開発した玉腰さん(左)と中澤さん

 サウナで帽子をかぶっている人を見て、自分たちも初心者用のサウナハットを買ったところ、「頭部が熱くなるのを防いでくれ滞在時間が長くなった」。その後、約5000円のフェルト地のおしゃれなハットを買ってみた。見た目は良いが、折り畳めず、持ち運びにくい。重さもあって使いにくかった。

 本社には裁断設備とミシンもある。肩パッドと同じポリエステル不織布を使えばいいのではと考え、社長に頼み試作品を作ると、「軽くてかぶり心地がすごく良かった」。

 改良を重ね、21年8月にクラウドファンディング(CF)サイト「クリーマスプリングス」で、リサイクル素材の不織布サウナハットを出した。わずか15グラムの軽さと、折り畳める利便性が受け、170人が購入した。

 CFを見た温浴施設から「オリジナルのサウナハットを作ってくれないか」と依頼も舞い込んだ。天然温泉森乃彩(もりのいろどり)では、サウナ室の送風機モチーフの刺繍を入れたデザインで、2店合わせて100個の注文があり、1店では初日の午前中にほぼ完売した。SNSで拡散もされ、別注依頼が増加、10以上の施設に別注商品を納入した。サウナーでグラビアアイドルの真奈さんや、「亀の子束子」との別注商品も販売した。

オーダーメイドも

 タレントでサウナ好きのヒャダインさんにオリジナルのサウナハットを製作し、番組内でかぶってもらう販促なども知名度の向上につながっている。

 新作にも力を注ぐ。新色で黒を入れたり、屋外でも使えるよう撥水(はっすい)生地を使ったりとアップデートしている。8月にはオーダーメイドのサウナハットが作れるECサイトを開設。画像やデータを送ると、約2週間で転写プリントのオリジナルが作れる。税込み5980円中心。



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