サルバム、ウィメンズを本格化 楽天ファッション・ウィーク「バイアール」で発表

2024/09/10 06:29 更新


 バイアールによる発表となったサルバム(藤田哲平)は、3年ぶりとなる東京でのファッションショーを母校の文化服装学院で行った。一部のアイテムを学生らとともに製作し、ショーの運営もともに行うことで、学生のスキルアップにもつなげようという意図がある。これまでパリ・メンズのプレゼンテーションでもメンズとウィメンズを交ぜて見せてきたが、この春夏は本格的にウィメンズをスタート、その最初のショーとなる。

 ポケットやパンツの裏地がアクセントとなるスーツ、ステッチワークを利かせたワークウェア、ブランドのアイコンともいえるアイテムは健在。そこにカムフラージュとハイビスカスを重ねた柄のセットアップやジャカードで作ったタイダイのような柄のアウターがアクセントとなる。軽さを意識してジャケットはゆったりしたフォルム、セーターも穴が開いてアブストラクトな存在感を放つ。

サルバム

 ウィメンズもメンズと同じ素材がベースとなる。ピンストライプのスーツ地で作るタンクドレスやハンカチーフヘムのスカート、胸元にスモッキングを入れてギャザーを寄せたシャツドレスといったアイテムが揃う。透け感のあるペーズリーのドレスをストライプTシャツとレイヤードするスタイルが、軽快なリズムを生み出す。

サルバム

 初期衝動の切迫感で駆け抜けてきたこの10年、後輩の成長を配慮するようなデザイナーへと成熟した。藤田のいら立ちや焦燥感がサルバムの放つパワーとなってきたが、大人のデザイナーとなった今、これからは何を基軸にデザインしていくのであろうか。

(小笠原拓郎)



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