11月上旬にスタートする新ECデパートメントストア「スタイルヴォイスドットコム」は、ブランドや商品の魅力を新たな切り口で紹介する、良質な記事コンテンツを充実する。人気モデルやスタイリストなどのキュレーターが参加するコンテンツも大きな特徴だ。
(石井久美子)
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新ECは、ジュン、マッシュホールディングス、デイトナ・インターナショナルの出資で設立したスタイルヴォイス(東京、片山裕美社長)が運営する。ファッション、ビューティー、ホーム&フードの3ジャンルを軸に構成。レディスファッションブランド中心にスタイルヴォイス限定商品も登場する。
スタート時には、出資3社を含む十数社の商品を販売する。ウェルカム、アイヴァン、メディコムトイ、ウンナナクール、EXJ、HIGASHIYA、マーケタブル、西川に加えて、アダストリア子会社でレディス4ブランドを扱うエレメントルール、「マンハッタンポーテージ」のコードの参加も決まった。水着のミューラーンは来春から加わる。16日にティザーサイト(stylevoice.com)をオープンした。
記事コンテンツは11月に100本程度を予定する。〝キュレーター〟によるコンテンツも充実し、モデルの佐田真由美さんや竹下玲奈さん、スタイリストの大草直子さんや白幡啓さん、メンズスタイリストの望月唯さんなど11人の参加が決まった。特定商品の紹介を依頼するのではなく、例えばゴルフ、安眠などキュレーターが興味のあるキーワードや気に入った商品をもとに、信頼や共感のあるコンテンツを作る。取り扱いブランド以外でも、若手デザイナーとの対談などを予定する。
さらに、インスタグラムで一定のフォロワー数を持つ一般女性を〝アンバサダー〟として組織化する。写真の撮り方やスタイリングにセンスがある人を探して依頼。数千から20万のフォロワーを持つ50人ほどからスタートする。アイテムを送ってその人らしく写真を撮ってもらうなど、読者モニター的なイメージだ。協力的な人が多く、手応えを感じている。
女性誌の編集長などのキャリアを持つ片山社長は、「『このブランドは、コアなファン以外の人でも使える商品がたくさんあるな』とか、ユーザーに伝えるべきことはまだまだ多いと改めて感じた」。スタイルヴォイスやキュレーターのフィルターを通してブランドに新たな光を当てる。出資3社の商品も販売するため、「再編集による新しい価値創造にとてもわくわくしている」とはデイトナの鹿島研社長。
サイト開設に向けて3社のメンバーが話し合いを重ねてきたが、ジュンの佐々木進社長は「一つのビジネスを進めるための会話は、(日常の交流とは)深さが違う。新鮮な驚きや刺激がある」と感じたという。ウェブ上に多くの情報があふれるなかで、マッシュの近藤広幸社長は「信頼できる、お客様のためになる記事をプライドを持って提供したい」と意気込む。
当初はレディス関連のコンテンツやキュレーターが多いが、今後はビューティーやメンズも強化する。来春はさらに参加企業が増え、プロモーションも仕掛ける方針だ。