「スピンズ」がタイの古着を帽子に再生 現地企業と製作、販売

2023/10/06 06:30 更新


デニムで統一した帽子はアップサイクルで新たな価値を目指した

 タイに大量に集まる古着を新たな帽子に――ヒューマンフォーラム(京都市)の「スピンズ」は9月から、タイでオリジナル帽子を企画・販売するピークデザイン(チェンマイ、浅野諭史社長)と協業し、現地の古着を帽子にアップサイクルして打ち出している。スピンズのリメイクブランド「リメイド・バイ・スピンズ×アドパスト」はピークデザインの「アドパスト」の協業商品。今後も両者で持続可能な取り組みを継続していきたい考えだ。

 アートディレクターとして活動するタイドブルー(大阪府吹田市)の樋笠博克さんが、両者をマッチングし、22年に協業を始めた。ピークデザインはチェンマイに自社工場を持ち、帽子「ムアック」を生産するが、アップサイクルの取り組みは初めて。

 古着だけでなく、リメイクやアップサイクル商品も販売するスピンズが協業相手になったことで、「以前から興味のあった帽子のリメイクに挑戦することができた」(浅野社長)。スピンズバイヤーの高岸亮さんと打ち合わせしながら、古着を使った一点物のキャップの試作を重ねた。

両者のマッチングをした樋笠さん(左)とスピンズの高岸さん

 タイには寄付や産業廃棄の名目で世界から大量の古着が集まっている。浅野社長はその中から流通せずに残ったものを中心にピックアップした。「カムフラージュ柄はミリタリー古着のものしか使わないなどこだわった。帽子にするためには条件もあり、素材集めだけで約1カ月かかった」。裁断は自社工場で行い、縫製はタイの協力工場と具体化した。

タイ・ピークデザインの浅野夫妻

 こうして出来上がったキャップは初回生産分が約200点。パネルやつばの部分はどれもユーズドの服地を丁寧に縫い合わせ、それぞれの商品はデニムやミリタリー、チェックなどで統一感を持たせた仕上がり。ユニセックス向けのフリーサイズで、中心価格は7000~9000円台。

 9月に大阪・HEPファイブの「スーパースピンズ」で今回のキャップの期間限定店を出したところ好反応で、特にデニム、スポーツ素材のキャップが売れている。今後についても「例えばバケットなど、定期的に新作を提案していきたい」(高岸バイヤー)と話す。

スーパースピンズで好評だった期間限定店


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