地方都市の婦人服専門店がインスタグラムやLINEなどのSNS(交流サイト)を活用して顧客とのつながりを深めている。イベントや店頭情報を発信、拡散して若い世代の新規客を獲得。従来、専門店が得意とする地域密着型の販売手法が、SNSを通じてさらに商圏を広げ、販売の在り方を変え始めた。
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山口県のリージョナルチェーン店、ラ・ヴィアンローズを運営するローズ(江村行正社長)は顧客向けの販売イベント「Oh!巴里祭」を宇部市内のホテルの特設会場で年2回開催し、高級品を求める顧客を広げている。
イベントの象徴として毎回登場するのが、エッフェル塔の下部アーチを模した巨大ディスプレー。これが若い女性の間で話題になり、インスタグラムなどで友人、知人に拡散される。「魅力的な空間演出の下で、上質な商品を揃えて非日常を演出する」(江村社長)販売イベントは、SNSを通じた〝クチコミ〟で周知され、回を重ねるごとに来場者が増加。今秋の巴里祭(3日間)には県内外から幅広い世代の女性客が来場し盛況だった。
JR山口駅の駅前通りの路面店、アウラーレは約150人の上顧客とつながるLINEグループを活用し、入荷した商品の紹介や、客からの取り置き注文にマンツーマンで応じる。個店が過大な経費を投資することなく、顧客は家にいながら店の売り手からバーチャルな接客を受け、来店が促される。
