生活スタイル提案を磨く松本市の個店 大人客向けに「調合中」

2020/01/05 06:28 更新


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【専門店】生活スタイル提案を磨く松本市の個店 大人客向けに「調合中」

 服と生活雑貨のバランス、店舗イメージ表現力のアップ、飲食まで絡めたコミュニティーの形成が、次世代専門店のキーワードになった。トレンドや新ブランドをいち早く発掘して取り扱い、中高価格帯を強みにしてきた店が、いざ変革へ舵(かじ)を切るとなると、既存客の離反と新客取り込みのバランスを計りながらになる。中心客層に合ったライフスタイル表現へ、個店が多い松本市でも個店が変革に挑んでいる。

◇アナザーラウンジ 大人の洋服屋へ

客の輪を濃くする

 松本市中心街に03年から店を構えるメンズ・レディスセレクトのアナザーラウンジ(矢口正和代表)は、20年を「変革期」と位置づけ、大人客の店と品揃えに変わろうとしている。

作家物、職人物の服、器を店頭で表現し大人客の取り込みを強めるアナザーラウンジ

 これまで20~30代メンズのトレンド好きを主対象に、世に出始めたばかりの元気な国内デザイナーを自分の足で探して仕入れ、商品背景、スタイリングを伝え、客単価は約5万円で、高い売り上げを取ってきた。変革のきっかけはEC・SNSの浸透。特にインスタグラムの浸透で「このアイテムが欲しい」という指名買いが増えた。「売れるのは良いが、廃りも加速した。この店は純粋な提案型の服屋でありたい」と矢口代表。20年春から本格的に「大人のための洋服屋」に舵を切る。増やしている仕入れは、デザイナーが作家として存在するようなブランド。服は物作りを重視した、作家物の陶器や焼き物も店頭で見せる。

矢口代表

 ただ、一気にブランドを変えはしない。「ノーコントロールエアー」「カーリー」「イール」など堅調なブランドは継続しながら、新たに「ゴーシュ」などを取り扱い、徐々に大人客へシフトしていく。「難しいところにチャレンジしていく。トレンドの目利きから、物作りの目利きへ。その取り扱いを増やして客の輪を濃くしていきたい」とする。

◇アール メーカー服と生活雑貨融合

長く活躍するモノ継続

 匠(高山浩代表)が展開する松本市郊外の路面店「アール」は、JR篠ノ井線の平田駅が最寄り駅で、芳川公園に面した立地。人通りは少ないものの、近くにしまむらなどがある環境だ。

物作りに強いメーカーの商品が引き立つライフスタイル提案ショップを志向するアール

 元々は99年松本市街地にセレクトショップ「リスタンダード」からスタート。約10年が経ち、自然に近い郊外でライフスタイル型店舗を持ちたいと考え、11年にアールを開設した。

 高山代表が店長として、一人で切り盛りする。仕入れているのは「ジョンブル」「アーメン」「プリット」「リネン」「チマラ」など。郊外の主婦層が愛着を持って長く着られるブランドを揃え、地元の30~70代の女性客が訪れる。

高山代表

 ライフスタイル提案はステーショナリー、植木鉢やプランターなどで表現する。ただ、ライフスタイルはセレクト基準が難しいと高山さんはいう。「服自体がデザイナーが表立ったものではないので、職人物は外している。作り手が主役になるのでなく、基本は商品が主役でありたい」。

 知名度より物作りの良さで仕入れる服とのバランスを考えると、「意外に生活提案は難しい」と苦笑いするが、「トレンドにかかわりなく、今年も来年も活躍し、長く愛用できる服・モノを取り扱う店でありたい」という。

 客単価は3万円前後。値引きはほぼ行わない。「もし自分が3割引きされて売られるとしたらイヤ。価値は下げない」。

(繊研新聞本紙19年12月12日付)


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