シキボウグループの新内外綿が、天然原料を使った新商品を二つ発表した。一つはオーガニックコットン(OC)の「エーゲ海オーガニック」。もう一つはパイナップルの葉の繊維を用いた「パイナップルヤーン」だ。エーゲ海オーガニックは糸の備蓄販売を開始。パイナップルヤーンは品質改善中で、25年春夏に向け量産を目指す。
エーゲ海オーガニックについては、トルコ・イズミールのOC農場と契約し、OC生産の管理も行っているエゲオーガニクスと新内外綿が提携。同社はエゲオーガニクスから原綿、綿糸を輸入販売する。
同素材は、主に中長綿。有機栽培で、ユーザーから求められるトレーサビリティー(履歴管理)が明確なことを重点的に訴求する。
世界的なOC需要の高まりを背景に「わたの確保が難しかった」として、今回はエゲオーガニクスが作った糸の輸入販売から始める。備蓄販売するのは20、30、40、60番単糸。来秋に収穫予定の新綿はわたで調達し、同社が主力とする杢糸などに使う予定だ。
パイナップルヤーンは、葉の繊維を38ミリの長さにカットされた状態で東南アジアから輸入し、生産子会社のナイガイテキスタイル(岐阜県海津市)が綿70%、パイナップル繊維30%の混率で紡績する。パイナップル繊維は「麻に近い質感で、吸放湿性を備える」という。
「ややチクチクとしたタッチ」だが、原料段階で特殊な処理を施して、柔らかく、染まりやすい繊維にした。