先日シブヤ109ラボにて実施した、選挙権を有するZ世代400人を対象にした「政治に関する意識調査」では、Z世代の政治への関心の高まりが見られました。約8割が今後の選挙での投票意向を示す結果となり、政治において課題に感じることは、自身と同世代である「若者の投票率が低いこと」が挙がっています。
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コロナ禍で自分ごと化
近年若者の投票率が低いなど、政治に対する関心度の低さが度々取りざたされています。ですが、コロナ禍での政府の対応をきっかけに、自分の生活に直結するような出来事やニュースが増えたことで、自分ごと化につながっているようです。
今後、この政治への参加意向を投票などの具体的な行動につなげていくために、若者と政治、双方からの更なる歩み寄りが必要です。
政治に関心を持つために必要なことについては、「ネット投票」「選挙の投票をしたらもらえるクーポンや割引」など、仕組みの部分における「投票のしやすさ」の実現を求める声がありました。「政治」をテーマにしたコミュニケーションを気軽にできる環境を増やしたいという意向も見られます。
インタビューでは、「アメリカ大統領選は日本でも盛り上がるし、友達との話題にもなる。投票者がお酒を飲みながら、気軽に互いの意見を言い合える雰囲気がある。日本はイベント感もなく重い話題になり、周りとも話しにくいから投票率が低くなる気がする」という声が聞かれました。同世代間でのコミュニケーションにおいて、政治をテーマに話すことはやや気まずい現状があるようです。
そのため、同年代の人たちと意見交換ができる場や、政治家や身近なインフルエンサーによるSNSでの発信に触れる機会を増やすことで、政治に対するハードルを取り払い、よりカジュアルで身近なものに変換できるのではないでしょうか。
政党より政治家の背景
また、彼らが政治家に求める点については、政党よりも候補者や政治家個人の活動の詳細を知りたいという意向が高いです。なかでも政治家個人がどのような背景で公約を決めたのか、そして公約達成までのプロセスや進捗(しんちょく)状況の共有を求めています。
これはZ世代が時間とお金を費やす「ヲタ活」と重なるポイントでもありますが、彼らは自身の「推し」の活動に対する思いや、成長過程を見守ることで応援意欲を高めています。自分たちの国や市区町村のリーダーを選ぶ選挙においても、「結果」ではなく「過程」や「ストーリー」を共有されることで、共感・応援できるポイントを見つけるきっかけを求めているとも言えます。
さらにその情報が彼らの生活の中心となっているSNSで共有されることで、政治や候補者がより身近な存在となり、「政治」と「若者」双方の歩み寄りを加速させることができるのではないでしょうか。