アトレの体験型新施設 「プレイアトレ土浦」第1期開業

2018/03/30 04:29 更新


 アトレは29日、JR土浦駅に体験型サイクリングリゾート新施設「プレイアトレ土浦」(茨城県土浦市)の第1期を開業した。駅ビル「ペルチ土浦」を段階的に全面改装し、サイクリングを軸に「体験を提供し、コトを売る」(藤本沢子アトレ土浦店課長兼プロジェクトリーダー)新業態に転換する。4期に分けて改装し、19年秋以降にグランドオープンする。行政とも連携し、「全国から自転車愛好者が集まる国内最大級のサイクリング施設」を目指す。

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 地下1階~地上6階のうち、第1期は地下1階と地上1階がオープンした。茨城県が設置し、アトレが管理・運営するサイクリング関連施設「りんりんスクエア土浦」を両階に導入。地下1階には、りんりんスクエアに加え、地域住民の日常生活需要に対応し、学習塾や洋服のお直し店、エステを他フロアから移設した。地上1階には他フロアから移設したコンビニエンスストアのほか、ドラッグストア「ココカラファイン」とカフェ「タリーズコーヒー」が新たに出店した。タリーズコーヒーはイタリアの自転車メーカー、ビアンキとの協業によるサイクルカフェ。店内に自転車を置き、自転車の車輪をイメージした照明器具を使用したほか、自転車愛好者向けのドリンクも揃えた。

 りんりんスクエアは周辺にある全長180キロのサイクリングコース「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の拠点施設とする。地下1階はシャワー、ロッカー、更衣室、レンタルサイクルスペース、地上1階は地域の観光情報発信やイベントを行うスペースとサイクリングショップ「ル・サイク」で構成。ル・サイクは完成車300台を揃えたほか、「おしゃれにサイクリングを楽しんでもらう」(運営するサイクルスポット)ため、ウェアも充実した。自転車のレンタル、修理・整備も行う。

 2期は11月の予定で2~3階の一部にレストラン・カフェ、3期は来年5月の予定で2階に地元の人気店を集めた飲食・物販ゾーン、4期は来年秋以降に3階の一部と4~5階に自転車愛好者や観光客向けのホテル(約90室)がオープンする。

 JR土浦駅ビルは83年4月に開業、09年7月にペルチ土浦となった。売上高は最盛時の91年に112億円だったが、その後は近接するつくば市などに相次いで大型SCが開業して競合が激化、他都市への人口流出も続き、低迷していた。「消費が大きく変化するなかで、モノを売ることを主体とした従来型から脱却しなければ存続できない」として、りんりんロードがある立地を生かした施設に転換することを決めた。

茨城県と連携し、サイクリング関連施設「りんりんスクエア」を入れた(1階に入るサイクルショップ「ル・サイク」) 


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