「フォトコピュー」竹内美彩さんに聞く、モデルへのインタビュー企画の意図

2025/06/04 10:59 更新


デザイナーの竹内美彩さん

 デザイナーの竹内美彩が手掛ける「フォトコピュー」は5月下旬、テンポラリーストア「RECHE」(リシェ)を都内のギャラリーで開いた。コレクションの販売、試着の機会を設けるとともに、過去のルックにモデルとして登場した人物の写真と竹内によるインタビューを展示している。企画の意図を聞いた。

(須田渉美)

【関連記事】東京ブランド25年秋冬 異なる要素のコントラストで見せる

 昨年3月の楽天ファッション・ウィーク東京24年秋冬でプレゼンテーションをしてから、自分で表現する場所を設けることはリアルに世界を感じてもらう大事な機会だと思うようになりました。一緒に仕事をしてきたモデルの友人たちに、自分が聞きたいことをインタビューしたら面白いだろうなと考えて始めました。話すことは得意ではありませんが、頭に思い浮かんだことを整理して文章にすることは、昔から好きで、服を作るより容易にできることなんです。

写真や動画の展示とともに、25年春夏、25年秋冬のコレクションを揃えて、リアルなブランド像を表現した

 19年にブランドを立ち上げてから、6人のモデルと仕事をしていますが、それぞれに生き方も個性的で魅力的な人たちです。最初に出てもらったマランは、インターセックスの方で表現力にあふれていて、アート活動も行っています。パリのアトリエで出会った時はMarine(マリン)という女性の名前でしたが、eを取ってマランと名乗っています。そういった、日本とは異なる地域で生活していて、価値観も異なる人に、自分たちにも通じる質問を投げかけて、思いを共有できたらいいなと企画しました。

 同じ六つの質問で構成しました。このやりとりを見てもらって、遠くで頑張っている人がいることを感じてもらいたいと考えて。個人的に興味があるのは「人生が始まった瞬間を教えてください」という質問。来場した方も含めて皆に聞きたいことです。



この記事に関連する記事