輸入卸のアマンが販売する婦人靴の「ペリーコ」は、日本展開20周年を迎えた。これを記念して3人の工芸作家と協業プロジェクトに取り組んだ。協業プロジェクトは、木工作家の森夏未さん、ガラス工芸家の能登朝奈さん、金工家の西本卓也さんの3人に、ペリーコを象徴するアネッリのヒールを作ってもらった。10月29日まで、ペリーコ東京ミッドタウン日比谷店で展示している。
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木工で大胆な曲線のシルエットを削り出した森さんは「靴の線の出し方と、自分の作品を作る際の線の出し方とのバランスが異なり、調整に苦労した。女性らしい美しい曲線を出そうと、くびれとエッジにこだわって形にしていった」という。
温かみのあるぽってりした形状のヒールを作った能登さんは、パート・ド・ヴェールという古代のガラス技法で造形した。「きれいな印象のペリーコと、プリミティブな力強さのあるガラスをどう融合させるか思案し、色付けもできる独特の質感をシンプルに生かそうと、ガラスの塊を作るように表現した」と話す。
真鍮(しんちゅう)をフライス盤と旋盤という2種類の機械で削ってインダストリアルなヒールを作った西本さんは、製靴を学んだこともある。「ハイヒールのカップの曲線がヒールのくびれへと続くシルエットが好き。ただ、今回はもともとのプロポーションから離れて、新しい構築性を持ったヒールを作り上げた」という。