【パリ=小笠原拓郎、青木規子】24~25年秋冬パリ・ファッションウィークは、ベーシックカラーが台頭している。黒と白はもちろん、グレー、ネイビー、キャメル、ブラウン、ベージュが充実する。柄はメンズライクはピンストライプやチョークストライプ、ヘリンボーン、ハウンドトゥースが出ている。
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クロエは、新クリエイティブディレクターのシェミナ・カマリによるデビューショーとなった。前任のガブリエラ・ハーストはサステイナブルな物作りを推進してきたが、その路線を踏襲しつつも、プロダクトとしての軽やかさやクロエらしいガーリーなムードをぐっと強調した。それはロジカルでしかめっ面の環境意識を前面に出したクリエイションではなく、ノスタルジックでふんわりとしたムードに包まれた柔らかな女性らしさにあふれている。
オーガンディやジョーゼット、レースで描く透明感のあるフルイドドレスやティアードドレス、軽やかなケープレット、フリンジ飾りのレザージャケット。ナチュラルで開放感あるスタイルが充実する。それはかつてのクロエが持っていた輝き。決してハーストの仕事を否定するつもりはないが、ここ数シーズンのクロエはサステイナブルへの意識が強調され過ぎてファッションとしての軽やかさを失っていたようにも思う。それをカマリはかつてのクロエらしさに引き戻した。
ケイト・ブッシュやニコの歌声とともに見せるコレクションは、ノスタルジックな70年代のイメージとも重なり、自由な雰囲気が強調された。「メゾンの原点に立ち返り、ぬくもりとポジティブさを放つ、センシュアルなクロエを創造したい」とカマリ。
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