オンワードGFの二村社長に聞く 直接投資に軸足

2017/08/07 04:30 更新


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 オンワードグローバルファッションは、新戦略に乗り出す。西武から「ミッソーニ」と「ソニア・リキエル」を引き継いできたが、17年秋冬で契約を終了する。二村仁社長は、「今後は直接投資するブランドをメインに、グループの生産背景を生かしたビジネスモデルを作る」と話す。今後の戦略を二村社長に聞いた。

(聞き手=小笠原拓郎)

 現状を考えると、ディストリビューション(販売店)契約では価格などで無理がある。時代に即したものが有益との考えから、直接投資するブランドにグループの生産背景を生かす。現在、合弁事業の「マルベリー」、グループ企業の「ジル・サンダー」「ジル・サンダー・ネイビー」、昨年グループ傘下になったフランスのレザーグッズ「モロー・パリ」、販売店契約でオンワードラグジュアリーグループ(OLG)で生産する「ロシャス」、前シーズンから販売店契約した「オリヴィエ・ティスケンス」に力を注ぐ。

 この2年、小売り事業のヴィアバスストップとジル・サンダーの立て直しを進めてきた。ジル・サンダーではデザイナー交代などを経て、18年のプレスプリングコレクションとメンズコレクションは、17年秋冬に対して卸売り売上高は1.5倍以上になった。OLGの生産規模があるので急拡大はしないが、グループの財産として大切に売っていきたい。

 ヴィアバスストップは改革の真っ最中で、偏りを是正しながら今後、注力するブランドのインキュベーション(ふ化)機能も備えた販売の拠点としていく。予算の30%を我々の注力するブランドとし、ヴィアバスストップがブランドの市場導入の先兵隊となる。その後、直営店舗化するブランドに、欧州の生産背景を生かし、これまで点だった事業を線にしていく。

 社長就任時は、売上高の98%が既製服だった。既製服は強いが、事業構造を考えると簡単ではなかった。アクセサリーとのバランスをとることと、直接投資のブランドのリブランディングを課題としてきた。シーズンごとに骨組みを作り、16年秋冬はバッグ、17年春夏は革小物を拡大した。その結果、売上高の12%はレザーグッズになり、既製服偏重も改善した。

 生産面では、OLGで既製服を手がけるジボコーやシューズのイリス、ニットのエリカ、バッグのフラッシネティ、スニーカーのフリーランドがある。現在は全アイテムが生産可能で、デザイナーを見つければデビューできる背景が揃っている。

 個々のブランドの立ち位置が鮮明になったため、経営資源の配分を切り替えるターニングポイントと判断した。モロー・パリはトップクオリティーのレザーグッズ、ジル・サンダーはテーラーリングを背景にしたクリエイション、マルベリーはレザーグッズの生産販売の経験を生かしていく。

 18年春夏からは実店舗の整理整頓とECのローンチに入る。モロー・パリは5、6店から始め、最大でも10までの出店とする。期間限定店でも、レザーへのこだわりとカスタマイズが富裕層から人気で、口コミで人気が広がっている。

 ロシャスは卸は好調なので、既製服からバッグという流れでアイテムバランスを整えたい。ティスケンスは最大で10店にしか卸さない。今の市場には、クリエイションに優れたラグジュアリーなものを着るお客様が着たい服が少ない。ティスケンスにはそのクリエイションがあり、お客様に満足していただける。そういうブランドが、顧客管理のできる店には必要だ。

 その対照にECがある。当社もラグジュアリーだけで良いわけではないので、ラグジュアリーとECの両軸のバランスをとっていく。

 ミッソーニとソニア・リキエルは新ビジネスモデルを提案しながら進めてきたが、経営方針の違いもあって契約を終了した。地方によってはそぐわない場所もあり、ECが必須条件の今、それを手がけるのも容易でなかった。

 ラグジュアリーなものは、よりエクスクルーシブな動きをしていきたい。マンパワーと経営資源を直接投資のブランドへ集中していく。ラグジュアリーブランドをやるなら、デザイナーの才能を大切し、本来の売り方、見せ方を考えなければいけない。オンワードだからできる作業を生かして、まじめにやるべきことをやってあるべき姿にしたい。

「ロシャス」の17~18年秋冬コレクションから


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