サステイナブルなファッションを推進するプロジェクトがNYで始動

2020/01/20 06:24 更新


 スワロフスキーとサステイナブル(持続可能)なファッションを推進するスロー・ファクトリー協会が、国連の支援を受けて「ワン×ワン ザ・コンシャス・デザイン・イニシアティブ」プロジェクトを発足した。「ワン×ワン」は、ファッション業界と新しいテクノロジーと科学者の間のサステイナブルな協業を培うために作られたグローバルなプログラムだ。初回は3人のニューヨークのデザイナーが、開発者と1対1で組む。フィリップ・リムが二酸化炭素を排出しない藻のコート、マラ・ホフマンが残布や返品された服を使ったハーレムコレクション、テルファー・クレメンスがバクテリアを利用して作った〝レザー〟のバッグにそれぞれ挑む。各チームには、4万ドルの予算が充てられる。

 参加者はまた、ファッション、デザイン、科学、テクノロジー、学問、サステイナビリティ―における14人の有識者で構成された「ワン×ワン」アドバイザリーパネルからサポートを受ける。元バーニーズニューヨークのファッションディレクターでトゥモローコンサルティングのジュリー・ギルハート社長兼最高開発責任者、パーソンズ・スクール・オブ・デザインのブラク・キャクマクファッション学部長、アメリカ航空宇宙局ジェット推進研究所のサシャ・サモチャイナ課長補佐などと共に、ファッション企業のエグゼクティブで投資家の花沢菊香さんが日本人で唯一選出された。

 花沢さんは、「個人的にファッション業界で、今一番大事なことだと思う。ファッションの無駄というのは、かなり認識されてきている時代になった。日本でもサステイナビリティ―の認識が高まるといいと思う」と話す。花沢さんは、洋服の素材がインターフェイスになるようなテクノロジーのパテントを申請中で、そうした技術開発の事業投資を約4年前からしている。日本の技術や工芸などを取り入れたサステイナブルな事業の開発や投資案件も考えたいと語る。

 各チームは2月3日までにプロジェクト計画を提出、ニューヨーク・ファッションウイーク中の2月11日に、ローンチイベントが開催される予定だ。プロジェクトの完成品は、9月の国連総会期間中に発表される。

(ニューヨーク=杉本佳子通信員)



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