《小笠原拓郎のプロダクトから時代を読む》90年代半ば プラダのダブルフェイスジャケットとクラシコイタリアの時代 手仕事がデザイナーの美意識を後押し

2021/01/20 11:00 更新会員限定


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 過去のプロダクト(製品)から、その時代とファッションやカルチャーを振り返るシリーズをスタートします。小笠原拓郎編集委員が過去に購入したそのプロダクトを選んだ理由や当時のファッションシーンを解説します。1回目は、1996年前後に購入した「プラダ」のダブルフェイスジャケットです。

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風合いの素晴らしさ

 90年代半ばに購入したこのプラダのダブルフェイスジャケットで驚かされたのは、なんといってもその風合いの素晴らしさです。アンゴラ50%・カシミヤ25%・ウール25%のダブルフェイス地でリバー縫製とよばれる縫い方でできています。フォルムはボックスに近く、わずかにウエストシェイプを利かせたシルエットです。パッチポケットのシングル三つボタンジャケットという仕様になっています。

プラダのダブルフェイスジャケット

 プラダはもともとミラノの皮革製品専門店でしたが、ご存じの通り、ミウッチャ・プラダによりアパレル製品へと進出しました。90年代初めからミラノ・コレクションをけん引するブランドとなり、90年代半ばにメンズラインもスタートします。その初期のメンズコレクションは、ミウッチャの夫であるパトリツィオ・ベルテッリの趣味が反映されていると言われていました。

丁寧な手仕事が分かるダブルフェイスの裏地。小さなチケットポケットもつく(プラダ)

 このダブルフェイスジャケットもそんな初期のコレクションの例にもれず、とてもクラシックなラインを背景にしています。というのは、プラダがメンズをスタートするにあたって、当時のイタリアのクラシックな服を作る工場をパートナーに選んでいたからです。いわゆる〝クラシコイタリア〟と呼ばれる企業群に生産を依頼したとされています。例えば、スーツだとナポリのアットリーニのグループであったサルトリオに依頼しました。パンツはやはりクラシックなパンツを手掛けていたロータに依頼したとされています。

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