婦人服メーカー・小売りのノースオブジェクト(大阪市)は3月19日、大阪府大東市に子育てママとファミリーを対象とする複合施設「Keitto」(ケイット)をグランドオープンする。直営のライフスタイルショップ、レストランだけでなくワークショップやクリエイター支援の工房などを備えたもので、子育て世代に寄り添った体験型スポットとして定着させる考えだ。
(古川富雄)
同社は大東市が進めている公民連携の住宅地域再生事業「morinekiプロジェクト」に参画しており、その一環としてケイットを開く。創業以来、子育てママを対象とする婦人服を製造販売し、「何か恩返しができないか」と考えてきた。自然が残っている郊外都市で、ママたちがほっとできるコミュニティーを作ることにした。
ケイットの敷地は約1650平方メートル。ここに入る直営店が「ケイットアスア」。自社ブラントの婦人服、子供服の他、ガーデニング用品、ピクニック用品、テーブルウェア、暮らしに関する書籍、焼き菓子なども置くライフスタイルショップとする。
カフェ併設の「ケイットレイパ」はベーカリー。同社はホテル、レストラン向けのパンを製造しており、既にノウハウを持っている。レストラン「ケイットルオカラ」も直営で、北欧料理を提供する。地域住民や来場者が利用できる社員食堂も作り、社員と地域住民がつながるような場所を目指す。
ワークショップの館「ケイットオッピ」は、親子で物作りを楽しめる。手作り作家を対象に無料開放し、活躍を支援する。
現在、大阪市内にある本社も移転させる。オフィスと取引先向けショールームを作り、ママたちの声やニーズを直接集めて、商品開発などに生かす。
ケイットは①子育てママの雇用創出②服の製造工程で余った生地をワークショップで活用するサステイナブル(持続可能)な取り組み③地元の企業や団体と組んだイベントやモニター会で双方向のコミュニケーション-―も目的とする。