日東紡グループは、接着芯地で培った接着剤をドット状で基材に載せる技術が、他の衣料資材や雑貨、インテリアなどに広がっている。多機能コーティング技術「ディアライン」を軸に拡販し、ブランド化を目指す。
ディアラインでは、機能剤を基材にコーティングし、機能性を付与する。必要な部分にだけドット状に載せられるので、従来の両面全体をバインダーで覆うパディング加工に比べて、風合いや通気性が損なわれない。機能剤が肌に触れないなど安全面も設計しやすい。また、複数の機能剤を干渉し合わず載せられる。洗濯耐久性もある。
機能性は「抗菌防臭」「抗ウイルス」をはじめ、発熱する「温感」やマットに使える「防滑」といった9種ある。顧客の用意した薬剤を使うOEM(相手先ブランドでの生産)も可能。
特に好評な消臭機能は、汗臭を主に抑える衣料資材向けの機能剤に加え、生ごみや排泄臭など9種の臭いに対応する「ダンフレッシュ・S」をそろえる。雑貨用途では、アウトドアブランドで22年末発売のランドリーバッグに採用された。内側のトリコットに加工した帽子は、23年3月発売する。寝装やインテリア向けは開発完了が目前だ。
防虫機能も、アウトドア向けのTシャツやアウターの表地で実績がある。目下はテント内に加工する機能剤を開発中だ。カーテンなどインテリア用途でも引き合いがある。
日東紡が得意のガラスクロスにも加工でき、「ガラスクロス・ドット」として訴求する。自動車向けなど産業資材での活用に期待する。カーボンクロスへの加工は開発中だ。
接着芯地でも「次世代」の技術開発を進めている。接着樹脂に汚れが取れやすい処方をした防汚加工は、カジュアルシャツ向けに販売が順調だ。超臨界染色は30年を目指す。また、接着樹脂の生分解にも挑戦する。