大阪市靭本町のメンズセレクトショップ「ムスターヴェルク」(会社はMWC)が増収を続けている。23年8月に近隣に若手の独立開業支援に位置付けた「ムスターヴェルク・ズュード」を開設。ともに順調で、25年1月期は2店で売上高3億円超になる。
ムスターヴェルクは、有力セレクト店から独立した新宅勇也代表が、20年春にオープン。自身の〝好き〟を生かしたセレクトと、一人ひとりのニーズに丁寧に寄り添った〝個店ならでは〟の提案力で支持を広げてきた。
他にも様々な工夫を凝らしている。例えば、「あえて実需期に別注品を仕掛ける」こと。期初に新作を楽しんでくれた顧客や新規客をもう一度楽しませる。リスクを張った仕掛けだが、「顧客ニーズをわかっていれば効果的」と言う。
自店ECサイトは、「サイズに関する情報が少しだけ足りないなど、未完成な状態を意識している」。問い合わせが来て、互いにやり取りが必要になるが、「そうすることで、この店がしっかりと印象に残るはず。ECはどこで買ったか忘れてしまいがち」と狙いを話す。EC化率は約40%、ECも伸長した。
ムスターヴェルク・ズュードは、「若い世代が店を生み出すことは業界にとっても重要なこと」とし、スタッフが個店経営を学ぶ場として開設した。2年目に入ったが、「仕入れで介入することも減り、ファン作りも進んでいる」と期待を寄せる。