靴下メーカーのナイガイで「ポロ・ラルフローレン」のレディス、キッズのデザインを担う。昨年は、靴下のデザインや技術力を競う「靴下求評展」(日本靴下協会主催)で、グランプリに当たる「経済産業大臣賞」を受賞した「好きな長さにカットできる靴下」の企画・開発に、チームの一員として参加した。
受賞作品は、「靴下の新しい楽しみ方を提案したい」というアイデアから生まれた。〝靴下を切る〟というこれまでにない斬新な発想と、それを作品として具現化したことが評価された。
求評展は昨年から、企画したメーカーと製造工場がともに賞を受ける形になった。受賞作品を製作したのは神木。「工場の知恵を借りることで完成した靴下。感謝の思いを伝えるためにも、一緒に受賞できてうれしかった」と振り返る。
百貨店向け靴下や求評展に出品する靴下のものづくりは、国内工場との密接な取り組みがあってこそ。コロナ下では、奈良や加古川など靴下産地への出張もままならなかった。今は出張が復活し、「直接訪問した方がスムーズに仕事が進む」と喜ぶ。
国内産地は、コスト高や高齢化などの逆風を肌で感じるが、「日本ならではの丁寧な仕上げや細かな要望に応えてもらえる」など、メリットが大きいことを実感している。
「靴下という小さいアイテムの中で、どんな工夫ができるか」という仕事の面白さを感じながら、「良い靴下をお客様に届け、靴下の価値を高める」という大きな目標を達成するため、日々のものづくりに邁進(まいしん)している。
てんま・くみこ
アパレルや靴下企業を経て、14年にナイガイ入社。靴下デザイナー歴は12年超。