「見たことがない」靴売り場、三越銀座店

2015/11/16 05:55 更新


 三越銀座店の紳士靴売り場の一角「シューズ・アトリエ」が、こだわりの強い男性客から「見たことがない売り場」として支持されている。客は5ブランドの靴の形と30色を自由に組み合わせ、合計150通りから自分の一足を作れる。10月からサービスを開始し、1カ月で約20足の注文があった。

 靴の形はドレスシューズ「ユハク」(税込み9万2880円)、「オーツカシンス1872」(5万8320円)、「チェントフェリーナ」(4万7520円)、「マドラス」(4万2120円)、レザースニーカー「フレジーノ」(4万7520円)の合計5型から選べる。色は各ブランドの職人が自社工場で手染めした6色をオリジナルとして展開しているが、客はブランドの枠を超えて、全30色から好きな色をチョイスできる。例えば「チェントフェリーナのドレスシューズをユハクの職人が赤に染色する」といった具合だ。

 三越がブランドと客、ブランド同士をつなぐプラットホームとなることで、このサービスを可能にした。各ブランドから染色加工する前段階のヌメ革靴を買い取り、店内にストック。注文が入ると、それぞれの染色工場に送り、約1カ月で客に渡す仕組みだ。染色の際に、靴の種類による色や風合いのばらつきを防ぐため、5ブランドの靴は共通のヌメ革で統一した。

 同店は昨年から色を切り口に、打ち出しを強めている。14年9月には地元のバー、15年3月は写真作家と組み、カクテルの色や銀座の風景からイメージしたカラーをユハクの手染めで靴に再現した。これらの企画が「想定以上の反応があった。銀座のお客は遊び心やうんちくを好み、色へのこだわりが人一倍強い」ため、今回からブランド、色の数を増やして常設した。

 17日まではフラワーアーティストのニコライ・バーグマン氏と協業している。同氏が「日本の冬」をテーマに制作した作品をもとに、各ブランドが1色ずつカラーを考案した。今後もシーズン毎に異業種と協業した色を打ち出す予定だ。

30色のバリエーションから選べる
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