子供服の三起商行は今期(20年2月期)も引き続き、インバウンド(訪日外国人)対応とベビーを強化する。パーソナルな接客販売ができる個室「ベビーラウンジ」の開設にも力を入れる。
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インバウンドの売り上げは伸び続けており、前期(19年2月期)全社売上高の40%を占めた。商品と接客の両面を強化しており、19~20年秋冬物でもインバウンドから特に需要のある高品質・高単価な商品を出す。一例は、ホワイトグースダウンを使用した防寒アウターのツーウェーオール(6万円)、メリノウールの極細糸を使った素材「ウールコズモラマ」のコンビ肌着(1万円)、短肌着(7000円)など。
店舗や本部の外国人採用も積極化している。今年4月は留学生16人、日本人15人が入社する予定で、初めて人数が逆転する。
前期は、顧客との距離感を縮めるパーソナルな売り場として、約15平方メートルの個室ベビーラウンジを百貨店内に開設した。現在、松屋銀座本店とそごう広島店の2店で、今後も百貨店に提案する。ベビーラウンジではソファやベビーベッドを備えるほか、肌着などの一部商品も陳列し、妊婦や赤ちゃん連れでも快適に買い物ができる。そごう広島店は、コト発信のためのスペースとしても使っており、妊婦のためのパーティー「ベビーシャワー」やおむつケーキ製作を実施した。
前期売上高は微減の約230億円となる見込み。インバウンドの売り上げが伸びる一方で、地方・郊外百貨店の閉店、専門店向け卸販路の整理などが影響した。
