中村三加子がデザインするセミオーダーブランド「ミカコ・ナカムラ」とウエストゴムのパンツブランド「ナンバーエム」の17年春夏コレクションは、ホワイトキャンバスをテーマに、まっ白からスタートしてそこに何を描くか考え、形にした。市場に元気がない今、原点に返って希望を示したいというコレクションだ。
真っ白の中に中村が最初にイメージしたのは、花を植えること。ミカコ・ナカムラのドレスは花の刺繍のモチーフを水に浮かべたように飾ったり、透明感ある花柄カットジャカードを使ったり。ドレスは翼を広げたような大きなケープが付いた形が新しい。花びらを思わせるラッフルを飾ったドレスも。
もう一つ原点にイメージしたのは、恐竜だ。短冊を折り返したような飾りがたくさん付いたコートやドレスは、恐竜のうろこのようでもあり、中村のコレクションにいつも一本通っているたくましさのようにも感じさせる。
この恐竜イメージが、ナンバーエムではキッチュなティラノサウルスプリントになる。レディスもメンズもあり、色もカラフルで楽しい。レディスのメインのパンツは、ウエストラインやヘムが花びらのように見える作りなど、やはりラッフルやスカラップを取り入れたひらひらした感じのデザイン。